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蝶と花のchinechanのレビュー・感想・評価

蝶と花(1985年製作の映画)
4.8
終わった後、しばらく余韻でものが言えなかった。これは私としては大傑作だと思います。

初めのうちはまぁまぁありきたりの話で、ただこの子達が不幸にならないで欲しいと願うような気持ちで見てましたが、列車の屋根に乗り始めてからは、爆発的に素晴らしくて、夢見心地でいつまでも終わって欲しくなかった。

ドリーミーでハートウォーミングで優しい。
主人公の瞳が澄んでて、真っ直ぐすぎた。出てくる子供たちも、全員がキャラだちしてました。特に、昭和で若干グラムロッカーなルックに、光genjiか!ってつっこみたくなる髪のかきあげっぷりとパフォーマンスがまぶしい謎のキャラ、ナーカーは、強烈ですね。兄貴分のアーデーンもいい。

取り扱ってるテーマは、かなり重たくて、マレーシア国境へ向かう列車で貧しい子供たちが米の密輸をやってます。列車の上に乗っかる図と、鉄橋を避けるシーン、ふと、闇の列車を思い出しました。

でも、観終わった今となっては全部夢だったようにすら思えるのは、タイの田舎の景色の美しさに心奪われたからでしょうか、子供たちの瞳が真っ直ぐで、純だったからでしょうか。

とても不思議な魅力のある映画。
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