爆裂BOX

ダーク・オブ・ザ・デッドの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ダーク・オブ・ザ・デッド(2008年製作の映画)
3.4
ウィルスの特効薬を開発した博士が死亡し、医大生の孫が遺産を処分するため友人とともに帰郷するが、町では変異したウイルスによって凶暴化した感染者が現れていた・・・というストーリー。
ドイツ産のウイルス感染ゾンビ映画。前半は主人公達の青春ドラマを描きながら徐々にゾンビが発生して行く過程を丁寧に描いています。ゾンビ大暴れを期待すると肩透かしを食らいますが雰囲気は悪くないので個人的には退屈しませんでした。冒頭で本筋とはあまり関係ないカークラッシュシーンが挟まれるのはドイツ映画っぽい。
ゾンビが現れてからは「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」のように籠城戦になりますが、ゾンビの数が少ないのでいまいち盛り上がりません。終盤までは主人公と因縁があるチンピラと警部補がそれぞれ一人づつしか現れませんし。終盤に5~6人くらい出て来て盛り上がってきます。結構、登場人物も外に出たりしているのであまり立てこもっている感じもしませんでした。
主人公ロバートは町の人間によく思われてなくて結構ギスギスした雰囲気冒頭から出てますが、事が起こってから車の爆発で吹っ飛ばされたりゾンビに何回も投げられたりと結構ひどい目にあいますね。
ロバートの友人でグループの中でははぐれ者の陰キャユージーンが感染したのもあってどんどんおかしくなっていく所も良かった。
ドイツにしてはグロ描写も大人しく、お食事シーンもありません。鳩時計に飛び散る脳漿のカットは良かったですね。
ゾンビはダッシュはしませんが、動きが素早く知能が残っているようで喋るし武器も使います。どっちかというと「クレイジーズ」や「バイオ・インフェルノ」みたいに理性を無くして狂暴化した感染者という感じかな。水疱瘡の様な腫瘍が顔に浮き出たゾンビメイクは良かったです。かなり怪力で軽々人間を投げ飛ばしたりします。
エロ担当の娘がすぐ死ぬと思ったら予想外にゾンビ相手に奮戦したのは面白かったです。ハンマーと肉弾戦で襲ってくる感染者を次々倒していく所は思わず笑っちゃいました。彼女は追い掛けられて森の中へ消えた後どうなったのか。窓枠にしがみついたゾンビ達に高圧電流流したり、火炎放射器で燃やしたり、最後の戦いはちょっと盛り上がりました。
クライマックスで無数のカラスたちが襲い掛かってくる所は「鳥」を思わせました。カラスのCGがちょっとチープだけど、それが逆にゲームの「バイオハザード」に出てくるクロウ彷彿しました。屋根の縁でカラスたちに襲われながらゾンビになった友人が迫ってくる所は結構ドキドキしました。ここで起きる悲劇はちょっとビックリ。
最後に出てくる科学者はロバートの知り合いっぽいけどよくわからなかったな。何処となく終末が訪れる予感感じさせるラストカットは好きですね。
全体的に真面目に作られていますが、ゾンビ映画としては消化不良な作品でした。