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エレクション 死の報復のTLsのレビュー・感想・評価

エレクション 死の報復(2006年製作の映画)
5.0
トライアド版ゴッドファーザー パート2と言える。非常に見応えがあって面白かった。

今回もプロットがボスの座の争奪戦になるのだが、竜の杖の争奪戦ではなく選挙制を中心に動いていた。この軸がマフィア物としてこの作品を見応えのあるものにしていた。キャラクターの関係性も前作を通して深みをましており、ボスとなりさらに欲を見せるロクと事業を成功させるために渋々立候補するジミーという対立構造がよかった。ジミーをはじめとするロクの部下たちは前作でロクのために血を流したのだが、ここで互いに対立するのが正にマフィアの世界を体現していて自分好みだった。

ジミーは正にマイケル・コルレオーネのようなキャラクターで特にマフィアの世界に興味はないのだが事業の成功のために手を血で染めていく。冷静沈着であるが、目的のためには手段を選ばない冷酷さ、そして前作を通して生まれた殺し屋ジェットとの奇妙な絆を守り通す人情味と相反する要素を上手く一つのキャラクターに落とし込めていたと思う。ジミー以外にもロクの親子関係など続編だからこそ心に響く関係性がたくさんあった。

バイオレンス描写も磨きがかかり、どのようなシーンがあるかは是非本編を見て欲しい。文字で説明するより初見で見た方が絶対に面白いので、この辺でこれについて書くのは止める。

ラストも非常に筋が通ったものになっており、前作で不満に感じたことが全て解消されていた。冒頭でも書いた通り、この作品はトライアド(三合会)版ゴッドファーザー パート2と言って差し支えないものになっている。中々おすすめの作品。
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