とらキチ

DEATH WISH/キング・オブ・リベンジのとらキチのレビュー・感想・評価

3.7
もう90年代だけど、まだまだ不穏な空気が漂うぜNY!
“Death Wish”シリーズ第5弾にして最終作。1作目が74年だから、実に20年近くの長きに渡って製作された。ブロンソン、当時御歳73歳!既に引退していた状態から復帰して出演したという。
今回の相手はわかりやすいバカなチンピラではなく、裏社会で暗躍するマフィア系。
今作の特徴は、ブロンソンが決して相手を一発では殺さない事。じっくりと仕掛けを施し、できるだけ相手を苦しめ、なぜ自分が殺されるのかがはっきりわかる状態にしておいてから時間をかけて殺す。これまでの4作品ではブロンソンは“自警団(自己防衛)”だったが、その動機は親しい人を無惨に殺された事にあった。だから本来ならブロンソンの行為は“復讐”であるはず。今作ではその“復讐”の面がとても強調されていた。これでこそブロンソン!プロの仕事なのではないか。
シリーズを通してずっと思っていたのが、銃弾を喰らった時のリアクションというか、メッチャ後ろに跳んでいく事。そんなに跳ぶ?ってぐらい。そこらへんの派手さに加えて、無駄にゴア表現が多いところや無駄にオッパイ出すところ、その辺がキャノン・フィルムズらしいイイところ。
「助けが要る時は電話してくれ」
そう言って立ち去って行くブロンソンの背中は、なんか堪らないものがあった。
とらキチ

とらキチ