るるびっち

ねじれた家族のるるびっちのレビュー・感想・評価

ねじれた家族(1991年製作の映画)
3.3
アガサ・クリスティは、アンフェアな手を打つことがある。
サプライズ好きだが、やったもん勝ち精神でお騒がせなオバサンだ。
しかし、この手の犯人で驚かせたのはエラリー・クイーンが先だった。
クリスティは余程、悔しかったのか? 同じくタブーな犯人像を示す。
現在ではあまり驚かない。むしろ現実にこの手の犯人は存在していて、そちらの方が衝撃だ。

ただクイーンの作品では、犯人の動機が手記に従っただけで悪質ではない。そこが救いになっている。
本作でクリスティがクイーンを意識していると思うのは、やはり手記が重要なアイテムになるからだ。
更にクリスティは、犯人の動機を本人の意志にしている。
その辺は男性作家より、女性作家の方が意地悪だな、という印象を受ける。
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