半兵衛

魔女の半兵衛のレビュー・感想・評価

魔女(1922年製作の映画)
3.5
学術的云々と冒頭のナレーションで語っているけれど、要は魔女狩りや魔女についての見世物映画。確かに魔女裁判やそれを取り締まる僧侶たちの再現ドラマはこういう風にやっていたのかと興味深いけれど、所詮『奇跡体験!アンビリーバボー』などのような観客を脅かすためのこけおどし程度の造りなのであまり心に残らなかったのも事実。

特撮などといった撮影技法は結構本格的で、陰影を使った映像がホラーとしての怖さを醸し出していた。魔女や悪魔たちによる祝宴をおどろおどろしく撮ったショットもなかなか。

裁判のパートでは拷問器具が多数登場しており、その手のファンは必見かも。でもを実際にやったら怪我どころでは済まないのもいくつかあるので、いかに当時のヨーロッパが荒んでいたかが理解できる(ちなみに魔女裁判が流行した時期はキリスト教の環境が変化してカトリックの他に多数の宗派が誕生し、そうした異端なグループを取り締まるという意味合いもあったらしい。そのうえ寒波により食べ物が少なくなり人々の心もかなり荒廃していたことも影響していた模様)。

悪魔に関する考察を無理矢理学者ぶってを締めくくるラストが胡散臭い、「君の街にもいるかも」ってやり口は昔からあったのね。
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