ちろる

ジャック・フロスト/パパは雪だるまのちろるのレビュー・感想・評価

3.6
"必死で生きた証を求めてきたが、それは君だった。"

ミュージシャンとしていつか1発当てたいと夢見るジャック・フロストはとある雪クリスマスに最愛の妻と息子をこの世に残して車の事故で帰らぬ人に。

息子のチャーリーはジャックを心から慕っていたせいで、一年たっても心は晴れず友人と笑って遊ぶ事もできなくなっていた。
一方死んだはずジャックの魂は何故か、雪だるまの中に融合してしゃべれる雪だるまとしてこの世に復活してしまった。

レイモンド・ブリックスの『SNOW MAN』を思い出すようなファンタジー。
ただ、現代劇として描くこちらのお話では、少年チャーリーもなかなか雪だるまがジャックであるという事を理解してくれず、気持ち悪がられる始末。
チャーリーとわかりあうまでに結構な時間を要す。

「チャーリーボーイ」
パパだけが呼んでくれる愛情たっぷりのぼくの呼び名。
この呼びかけを耳にした後のチャーリーの溢れんばかりの喜びが涙を誘う。

ジャックが事故に遭ってしまうその直前のお別れの際に、拗ねてパパを傷つけてしまったチャーリーにとってこの一年がどれだけ後悔に満ちたものだったのか、考えるだけで苦しい。

雪だるま⛄️ということだけあって、限られた時間での再会な事と、ママももっと早く雪だるまになったジャックと交流させてあげたいなと思う、後ろ髪引かれるようなお別れシーンは切ない。

お話としては子供向きかと思ってましたが、実際父親や母親の立場でも観ることのできるファミリーストーリーなので、寒い夜に家族で観るのもおすすめです。
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