いの

ミネソタ大強盗団のいののレビュー・感想・評価

ミネソタ大強盗団(1972年製作の映画)
4.0
嫌な予感がする


冒頭の説明がとても分かり易くて、理解理解! そして、ジャケがめちゃ格好いい!(牛飼いの人達の服装だとのこと) 鉄道強盗and銀行強盗を繰り返してきた強盗団。この人たちは、権力の座に居座る側を襲うので、民衆からの人気はvery高いらしい。この強盗団は、ツートップで、ひとりがジェシー・ジェイムズ/もうひとりが、コール・ヤンガー。この2人の対比が面白い。造詣が深そうなジェシー・ジェイムズ。に対して、南北戦争の生き残りで、北部の人を毛嫌いするカーツ大佐ことコール・ヤンガー。キレたら怖ろしい。


ミネソタ州ノースフィールドにて。大銀行を襲う計画。私は嫌な予感しかしない。計画って、たいていは計画通りには運ばない。伏線が見事に転がり出す。蒸気で動くオルガンの鳴り止まない音とともに、激しい銃撃戦が! 1972年制作ということだけど、これも余計なものを排して、画と音でクールに描いて、お見事というより他はない。


---------------
・「恩赦は来世で受けろ」
彼等を追う人(鉄道側に雇われた人)が名台詞をさらっと言う。

・病気を治す祈祷師?魔術師?が薬をくれる。“虫と、乾燥させた猫の血と、モグラの小便“から成る薬。それから、恐怖心を消してくれる銀のイヤリングもくれる。なんかそういうところにも説得力があった。

・ロケーションが凄く良かった。
バットとボールだけの野球。まだ、グローブもミットもない、素手で受け取る野球。そういうのも良かったな。


・彼等が移動する時には、のどかな音楽がかかる。それはまるで、ねずみーらんどの、ウエスタンランドでかかりそうな曲で。バンジョーとかとか(バンジョーしかわからないっ💦)。その時には、のどかな気持ちになりました。



---------------
〈追記〉2024年1月下旬
1960年代、70年代に制作された西部劇には、理想化してきたカウボーイや無法者の「現実」を露呈させる映画も作られた例として、今作があげられています。
(川本徹『フロンティア ニュー・ウェスタン映画論』森話社、2023年、12頁)
いの

いの