YAZ

二重結婚者のYAZのレビュー・感想・評価

二重結婚者(1953年製作の映画)
4.1
アイダ・ルピノ監督作観る

ルピノ監督作「ヒッチ・ハイ
カー」と同年製作でこちらは
出演もしております。ハリー
とイヴ夫妻は養子貰うことに
なり契約書にサインするが夫
の不審な様子が気になる斡旋
業者が調べると。。の話

ハリーが重婚者でそちらの家庭には子供
まで。事の経緯をハリーが斡旋業者に
語る回想形式で

なかなか面白かったですが詳細書きたい
ので以下に続くです。備忘録的で長めな
のでスルーして頂いても










ハリーは
かなりの愛妻家で誠実な男(誠実なのに
二重結婚?というのは少し違うように思
う。誠実だと離婚出来ないことになるか
とも。二重結婚に至る前に何とかすべき
で誠実で気が弱い男かもしれない)で
イブと共同で会社起こし業績順調も訳あ
って仕事に没頭するイブとの距離が離れ
ていき孤独感を。定期出張先で知り合う
フィリスに半ば引き込まれる様に孤独を
埋める様に関係を持ち続ける

イヴは
子供が産めない体と知った瞬間に私は妻
にして妻に非ずと絶望しその穴を埋める
様に仕事に没頭し今や有能な女性。仕事
の疲労なのか別の問題か夜も夫に背を向
け寝入ってしまう毎日のよう。ただし夫
の出張先でのフィリスとの出会いを聞き
ながら全く疑わないのは誠実な彼が浮気
なんかなのか自分への愛情の深さに自信
があるのか

フィリスは
過去は語られませんがハリーとの出会い
の様子から人間不信で孤独を抱えてるよ
うに見える。積極的なハリーが諦めて去
ろうとするとそれまでの態度は豹変。
彼の孤独と性格を察してか既成事実を作
ってしまえば私の物になると勝負を掛け
てる感じ。因みに彼が妻帯者か否かは知
っも何にもならないと言ってる。ラスト
曖昧にしてますがハリーは間違いなく
フィリス選ぶと思われるので勝利者かも

三者それぞれに言い分も落ち度も有ると
ころが面白い。我が強いわけではないけ
どどこかで相手より自我を優先させしま
った瞬間がありその瞬間が重なりこうい
う事になってしまったよう。誰か一人で
も相手の事思ってればね~とも思うけど
それを求めるのが酷なのは皆どこかにす
がった結果の我だったりする

特定の誰かを責めるのでなく感情移入す
ることもなく俯瞰で3人の感情思い関係
見ると強さも弱さもな人間臭いドラマで
はないかな


子供が産めなければ妻失格?
家庭より仕事は妻失格?

この2点は結構重要で夫は前者に関して
は気にしてないようだけど妻はそこから
自己を責めて欠落感始まる。後者は夫が
これを切っ掛けにして妻失った喪失感に
落ちていく。
ドラマとしても重要ですがおそらく50
年代の社会の中ではどちらも失格と受け
取られてるのではないかと想像出来るの
で本当にそうですか?と問いかけてる様
でルピノ前作に続き本作でもジェンダー
からの視点伺えます

ルピノ監督2作観ましたが気付くか気付
かないかの良い具合に攻めてるな~とい
う印象です。女優としての出演作は3本
しか観てませんがどれもかなりの高スコ
アで相性良いのかもしれない
YAZ

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