やま

不戦勝のやまのレビュー・感想・評価

不戦勝(1965年製作の映画)
4.3
やばいくらいカメラがやばい。
計算尽くされたカメラワークのヤバさにストーリーがもはや頭に入ってこない。

とりあえず30歳までもうすぐの男の1日半を描いた映画であり、彼はどうしようもないくらい無の感情で生きてるような感じ。

ボクサー?なのか何なのかよく分からないが、ボクサーなのだろう。
体重を計るシーンもやばいのだが、ボクシングの試合シーンも面白い。

普通の映画ならば、ストーリーの展開や緊張感に夢中にさせられる場合が多いと思うが、今作は次のシーンのカメラワークが気になって仕方ない。

長回しばかりで動きの多いカメラワークなのだが、どれも決まりまくってて最高。
人の歩いたり走ったりするなど移動の多い映画なのだが、カメラは止まってもいい感じの構図で対象を映し出したりしていて、それがみていて飽きない。

特に列車とバイクの並走シーンが凄い。
カメラの枠内にあれほどの移動をしてもしっかりと入り込むバイクも凄いのだが、飛び降りるスコリモフスキが凄い。危なすぎる。

この遊んでるかのようなカメラワークの凄さがスコリモフスキ監督映画の特徴だと思う。次の彼の作品みるのが楽しみ。

彼女?と歩くシーンが個人的に好き。鶏絞め殺してくれってどうかしてる。チョークのソファもあの絵も。
やま

やま