鰹よろし

スペース・ウォーズ 宇宙大戦争の鰹よろしのレビュー・感想・評価

1.2
 戦場で軍人サラブレッドエリート戦士テミトリアンに拾われたどこの馬の骨だかわからない名も無き未開人の男児は、ゼッド・ルシーンと名付けられ戦士として育てられた。

 ある日ある時、父の伝手で血筋学歴階級コンプの激しい集団スターフォースなる特殊部隊に入隊。ヒエラルキー最下層にありながら彼は瞬く間にエリート街道を駆け上がっていくのだった...

 父テミトリアンと息子ゼット・ルシーンの血の繋がりは無いが固く結ばれた親子の絆が中心に据えられているのは一目瞭然ではあるのだが...、

 ルシーンが入隊するまでの父子が2人だけで過ごした期間に、そこからスターフォースへと入隊するに至るまで、さらには新人兵の訓練期間どころか、階級や役職が与えられるまでの実績が全てダイジェスト(ほぼほぼ紙芝居と言って良い)で、しかもそれぞれの過程において存在し所属しているはずのコミュニティを排除しかなり急ぎ足で展開されてしまうので、血筋云々を言及する上で必要最低限な、その世界及び時代における未開人と文化人の格差、個々人及び周囲との葛藤にコンプレックスが見えてこないのが多少厳しい。

 ルシーンが独り従事した任務におけるとある惑星での不時着イチャラブサバイバルとその使命感。チームを率い彼を救出に向かうテミトリアンと付随する思惑とを交互に描き出すことでその補完としたかったのだろうが、う~ん。

 未来感や宇宙感、SF感を醸し出そうとする絵面は好みだし心意気は感じられるのだが、それに相反して極力極力制限してしまった絞られてしまった人間模様とは非常に噛み合わせが悪く、何とも中途半端な印象を覚えてしまう作品だった。


「スター・ウォーズ」シリーズ...「イントゥ・ザ・スペース」(2013)...「エンダーのゲーム」(2013)...「インタープラネット」(2016)...「OSIRIS オシリス」(2016)...
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