宮本守は、本の編集者。小さな出版社「黙示書房」をやっているが、経営は苦しく、事務所をたたむことになる。宮本の友人村岡正夫は作家。代表作『秋の理由』以降、小説を発表していない。精神的な不調から声が出なくなり、筆談器を使っている。宮本は村岡の才能を信じ、彼の新作を出すことを願っている。そして実は、村岡の妻美咲が好きなのである。 宮本の前に『秋の理由』を何回も読んだというミクがあらわれる。ミクは『秋の理由』のヒロインに似ている。村岡の言葉から生まれたかのような存在。ミクは村岡にも会う。 ミクとすごす時間のなかで、宮本は美咲への思いをはっきりと自覚するが、美咲はそれを受け入れてくれない。美咲と村岡の関係は険悪になっている。村岡は、正気と狂気のあいだを揺れ動き、難民的な男女の群れのなかに自分がいる夢をよく見る。自分のそばに宮本がいることを苦痛に感じ、宮本にそれを言ってしまう。宮本は怒りを爆発させる。村岡に、自分に、そしてこの世界のあり方に。
「あなたはわたしじゃない」 そう言って、あの人は私のまえからいなくなった。 あの晩、私は森の中で置き去りにされた。 獣のマスクをしたあの人は、私のお母さん、だったのだろうか? …
>>続きを読むいつから私はひとりでいる時、こんなに眠るようになったのだろう―――。毎日家で眠りながら恋人の電話を待つ寺子(安藤サクラ)と、永遠に眠り続ける妻を持つ恋人の岩永(井浦 新)。そんな中、男たち…
>>続きを読む看護師として病院に勤務する美香(石橋静河)は女子寮で一人暮らし。日々患者の死に囲まれる仕事 と折り合いをつけながら、夜はガールズバーのアルバイト。作り笑いとため息。美香の孤独と虚しさは簡単…
>>続きを読む●「笑女クラブ」 みんなを笑顔にすることがモットーの「笑女(しょうじょ)クラブ」。 部長の美和子は笑わない優等生・要をどうにか笑わせようとするのだが…。計算式が結ぶ女子高生二人の友情物語。…
>>続きを読む岡山に生まれ25歳という若さでこの世を去った俳人・住宅顕信(すみたく・けんしん)。 5・7・5の字数にとらわれない自由律俳句を詠み、生涯に残した俳句はわずか281句。22歳の時に得度…
>>続きを読む専業主婦だったマリアンヌは、夫・ブルーノと離婚し、8歳の息子・ステファンを育てていく決意をする。かつて勤めていた出版社を頼って仕事を得たものの、なかなかうまくいかないことも多い。元夫は復縁…
>>続きを読む『秋の理由』製作委員会