Same

ブラッド・ピーセス/悪魔のチェーンソーのSameのレビュー・感想・評価

3.4
スペインのエドウッドこと、ファン・ピケール・シモン監督作品。脚本にはジョー・ダマトも関わっているようで、制作陣を見るだけでも期待させてくれます(ごく個人的に笑)
制作はアメリカの様ですけど。

【あらすじ】
ある日えっちなパズルで遊んでいた少年は、それを咎めた母親を斧で伐殺。それから40年。
ある大学のキャンパス内で女学生がチェーンソーで惨殺される事件が起こる。捜査を始める警察だったが、次々女学生が殺されていく。犯人は一体誰なのか!?その目的は!?

おなじみグラインドハウスマークで始まる本作、なんか緊迫感の薄いとろい演出ながらゴアシーンの出来はかなりかっこいい!白昼逆光の中チェーンソーを振るうシーンの血糊のきらめきや、ウォーターベッドを切り裂き真っ赤に染まった水の飛沫を飛び散らせて殺害するシーンはめちゃくちゃかっこいい。
恐怖のあまり失禁した女学生をチェーンソーで胴体を真っ二つにする演出は、当時はかなりのグロ演出だったろうなあ。

素人の男子学生1人にキャンパス内の全部を見張ることを強要して、自分はずっとデスクに座ってる刑事を筆頭に、まともに捜査してるのかどうかわからないほどノロノロした警察、キャンパス内のあちこちで殺人事件が起きているのに封鎖せず(風評被害を避けるためとはいえ)普通に過ごす学生たちなど、酷く御都合主義な設定なので犯人は楽々殺害をこなしていきます。
チェーンソーにこだわりを持っている様で、女学生に悟られない様に真っ黄色のチェーンソーを後ろ手に隠してエレベーターに同乗する様子に失笑です。隠しきれないだろ笑

人でなしー!を連呼するところとか、倒れこんできた死体に怯えて絶叫するところとか、感情を露わにするシーンで所々変に過剰な部分があってクスッとさせてくれますよ笑

見せ渋りしないゴアシーンのバリエーションの数々、序盤にもちゃんと伏線を仕掛ける謎解きものとしてそれなりな脚本、流石にBlu-rayで復活するだけはありますね。公開された時期を考えると衝撃的でノリノリなスプラッター映画ですよね!面白かったです!
衝撃のラストも見逃すな!!

以下ネタバレ

















あの衝撃のラストですけど笑、犯人はそれぞれ魅力的なパーツを持つ女学生を殺害して、理想的な1つの肉体を作り上げようとしていたわけですね。それは幼少期に遊んでいて完成しなかったヌードパズルを組み立てる行為であり、母親へのある種の偏愛もあったように思います。
理想的な母親を作り上げようとしていた、というのは深読みしすぎかもしれませんけど。
少年が幼少期に殺害した母親は、男性の性欲の発露をひどく嫌悪していて、性欲がダメな大人にすると信じていた。
出来上がった完全にピースが合った死体が最後男子大学生の股間を切り裂いたのは、母親の反撃だったわけですね。
しかもあの男子学生、見た目全然プレイボーイ感無かったけど笑、プールで待ってた恋人が殺されても涙ひとつ見せず、少し後に登場する女捜査官に色目を使うなかなかなクズ男だったわけで。

唐突でビックリしたけど、考えてみれば良くできたラストシーンですよ。このシーンを最後入れたことで評価は上がりました。
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