メイマーツインズ

SF核戦争後の未来・スレッズのメイマーツインズのレビュー・感想・評価

4.0
【隠れた傑作⁉︎シリーズNo.35】

イギリスを舞台に核戦争後の世界をリアルに描いた衝撃作!
ケビン・コスナー主演の名作”ボディガード〟のミック・ジャクソン監督作品。
U-NEXTで初鑑賞。

今日は8月9日、長崎の日。

自分は福岡出身なので、広島よりも長崎の原爆がずっと身近に感じてきた。
広島に続く2発目の原爆投下は長崎ではなく北九州・小倉の予定だった。
小倉上空がたまたま悪天候だったことで、プランBの長崎に変更された。
もしあの時、小倉が悪天候でなかったら…
多くの人々の運命が変わっていたはず。今を生きるその子孫たちの運命も…


この作品は、核戦争後の世界を生々しく描いている。
時は東西冷戦下の1980年代。イランをめぐりアメリカとソ連が武力衝突。最初は小競り合いも、そこからエスカレートし、全面核戦争へ…という展開。
”核の均衡〟が、両国の意地とメンツでアッサリと崩される。
アメリカの同盟国イギリスは地獄と化し、生き残った人々も食糧難に。当然ながらインフラも崩壊し、秩序はなくなり、人類は原始的生活に戻る。
ドキュメンタリー風を用いていて、観る者に淡々と突きつけてくる。

ソ連が崩壊し、イデオロギーによる大国間の対立はなくなり、世界は全面核戦争の危機から遠のいた。だから、この作品には隔世感がある。

されど…
いま、ソ連に変わる中国の台頭で米中が世界の覇権争いをしている。台湾は両国にとって絶対に譲れない場所。この作品のイランが台湾となり、台湾危機がエスカレート。そして、両国の意地とメンツで全面戦争へ。アメリカの同盟国日本がこの作品のイギリスのようになる…
そんな悪夢のシナリオが少し頭をよぎる。


ラストの絶望感がたまりません…