タクマ

SF核戦争後の未来・スレッズのタクマのレビュー・感想・評価

4.6
見たで。
こちら英国BBC…アメリカとソ連の間で核戦争が勃発…と言うシチュエーションで描かれる一本。まずこのSFっていうタイトルがハッキリ言ってクソの骨頂ですね。本来は核戦争の恐怖を描ききった本作を娯楽SFとして勘違いして見る人が出そうなダメダメな放題。
とにかく見ていて恐怖と吐き気がする映画です。このタイプの戦争映画って結局最後はだから平和が大切なんですっていう希望を描いて終わろうとするけどこの映画にそんな綺麗事は1ミリもない。なんで核戦争が起きたらアカンのかこれを見たら嫌でも重い知らされる。悪化する治安、訪れる食料危機、崩壊する医療、命に価値と分別がつけられ行く世界、次世代まで続く放射能の影響、死ぬ事が最大の救いに感じる地獄絵図である。一度核戦争が起これば元の平和な日常は返ってこない恐ろしい現実がここにある。ロシアのウクライナ侵攻、北朝鮮による度重なる核兵器の実験などこの映画の出来事がけしてフィクションでは済まない事が最大の恐怖である。鑑賞時は最高のメンタルで自己責任の上で鑑賞してほしい。無理に見る事は進めないがエンタメとしての面白さとはまた違う映画の存在意義が確かにある傑作である事は間違いない映画である。これがフィルマークスでは鑑賞記録数が600程と言う事実。もっと知名度がなきゃダメな作品。
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