GreenT

チャーリーのGreenTのレビュー・感想・評価

チャーリー(1992年製作の映画)
2.0
チャップリンのバイオピック的映画なんですけど、チャップリンってすごい有名なのに、私はこの人のこと何も知らなかったなあと思わされました。

1963年に72歳ですから、生まれたの1800年代?!ロンドンで芸能好きのお母さん(チャップリンのリアルの長女が演じている)に育てられたがすごく貧しく、お母さんはメンタルやられて、孤児院に入れられたり、まだローティーンの頃から旅芸人として生計を立てていたんだけど、「酔っぱらいのおじさん」演技で有名になり、ハリウッドのやり手監督(プロデューサー?)にスカウトされる。

この頃は、役者として有名になるとみんな監督をやりたがったようで、チャップリンと共演していた女優(マリサ・トメイ)も監督をやらせろ!とプロデューサー・監督(ダン・エイクロイド)に迫ったりしている。

この映画結構オールスターで、助監督兼編集さん役のデイヴィッド・ドゥカヴニーがなかなかいい感じでした。あと、のちにチャップリンの最初の妻?役でミラ・ジョヴォヴィッチが出てて「こんな女優さんだったんだ!」って思った。

チャップリンは仲良くなったコメディ俳優(ケヴィン・クライン)と自分のスタジオを立ち上げるんだけど、これがユナイテッド・アーティストなんだって?(記憶違いだったらゴメン)。

で、80本以上の映画を撮るんだけど、ほとんどは30歳になる前に作った映画なんだそうで。劇中でも語られていたけど、「酔っぱらいのおじさん」を演じているのに、本人はすげー若かったんだね~。

大体、芸能人のバイオピックもんって、華やかな舞台の裏は・・・って感じだけど、チャップリンもあんなドリフみたいなギャグやっている裏で、色々あったらしい。

この頃は、イギリスから来た人であってもアメリカでは「外人」扱いで、チャップリンが社会風刺的なギャグをやろうとすると「そんなことすると追い出されるぞ!」とマネージャーであるお兄さんとの争いが絶えない。

ハリウッド映画の国民に対する影響力におののくフーバーに目を付けられ、共産主義者とかって赤狩りにあったり。

なのに、ナチスがキライで、ヒットラーの映画を撮ったり。

プライベートでは4人の奥さんがいたり。あ!1人の女性は、チャップリンの子を妊娠したとか言って、裁判に勝ってしまい、チャップリンはその娘の養育費を支払わされたらしい。

Me, too ムーブメントがこの頃もあったのか!それに、映画で社会風刺をすることでレッテル貼られるってのも、インターネットがなくてもあったのね、なんて思った。

・・・と、色々勉強にはなったけど、こうして内容をズラズラと書かれても面白くないでしょ?映画もそー言う感じなんです。チャップリンが自分で書いた自伝や他の人が書いたバイオピックを参考にしているらしいんだけど、ただクソ真面目にチャップリンの歴史を追っているだけで、映画的な面白さが全くない。

途中、映画製作を禁止されたかなんかの時の様子を、サイレント・ムービー風に撮っているところは面白かったけど、それ以外は、つまらない人間ドラマばっかで眠くなった。だって生まれてから死ぬまでを描くのに、2時間半あったって駆け足になっちゃうじゃないですか?なんかどっかチャップリンの人生の一点をクライマックスにしないと、ダラダラダラダラ語るだけで終わってしまう。

あと、最後にチャップリンのリアルの名場面集を延々と見せたりして、それも下手くそだなと思った。もっと物語の間にちりばめた方が面白かったかも。

ロバート・ダウニー・Jr. は、こういう役上手そうなんだけど、あんまり生かされてなかったなあ。チャップリンぽいシーンはなんかぎこちなかったし、人間ドラマのシーンは彼らしくなくて面白くなかったし。アンソニー・ホプキンスやジェームズ・ウッズも無駄遣いされていたから、やっぱり制作が良くないのかな。

これ、原題はズバリ Chaplin なのに、どうして邦題は『チャーリー』にしたのかな?チャップリンの映画って方が集客できそうなのに。
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