こぅ

狙われた女のこぅのレビュー・感想・評価

狙われた女(1949年製作の映画)
3.8
110/'22

'22 8/29 ジャケ写掲載していただきました。

ルイス・R・フォスター監督による、
日本劇場未公開の【クライム・サスペンス】。


作家、アルトンが、妻を殺す同じ夢を毎晩見ると、精神科医に助けを求める。
直後、妻が夢と同じように殺され…。


悪夢(殺人)が現実に起こる、、ってプロットは、今やホラー、サスペンスの定番の1つとも言えそうだが、最古の本作では、シンプルな使われ方〜。

冒頭から10分程度で本作の 根源 が簡潔に描かれる。
レドモンド精神科医に相談するアルトン。

一方、本作に絡むカール探偵(ダン・デュリエ)の行動が描かれる。
同じアパートに住むレドモンドの秘書クレイマー(ドロシー・ムーア)に好意を寄せるカール。

そして、10万ドル相当の宝石を巡る 強盗殺人事件 が発生する、、
ドーソン警部補とクーパー保険会社調査員(スターリング・ヘイドン)が事件を追う。

殺人状況以外、捜査過程も丁寧に描かれる。
ドーソン警部補と部下、妻とのやり取りに 笑い を盛り込んでいる。
この時代(73年前)から犯罪劇を重苦しくせず、程よいコメディタッチの作風は興味深い。

リピするかしないかって、ライトかヘヴィかがポイントになる。
いくら傑作でもヘヴィだと敬遠してしまいがち(個人比)。

のちに種明かし的な犯人による、事件の顛末回想も丁寧だ。

完全ミスドとも言えない、犯人設定がユニークで、そこで【二転三転】する。

ただ、、
ストーリー(プロット)が面白くても、脚本が秀逸とは限らない。

主人公は誰⁈ってハッキリと提示されていない(分かり辛い)し、終盤がバタバタ(ネチネチ)やり過ぎて、クライマックスはメリハリに欠けた。
も少しスッキリ纏めたほうが良かった印象。

しっかし、この犯人、、映画史上稀に見る悪どさ。

ラストもずっと引き摺っていたネタでコメディに締める。
しかも◯◯オチって珍しい。
こぅ

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