「ファニーゲーム」「白いリボン」「愛、アムール」などのミヒャエル・ハネケ監督作品
19歳の大学生がクリスマスの数日前に、とある銀行で一般の人々を射殺する事件が起きる
その加害者と犠牲者のその日に至るまでの約1ヶ月間の日常生活と世界で起きている紛争・虐殺のニュース映像を71の断片的なカットで不規則に散りばめて映画化した作品
静かなる狂気…加害者が事件当日までに友人との些細なイザコザがあったり銃を用意したりどんどん鬱憤が溜まっていく様子が映し出される
被害者側も日常生活で他人に優しくしたり、気を遣ったり、冷たくしたり、心無い言葉をかけたり些細な暴力を振るったりと様々である
ハネケ監督ならではの、人間社会はそれほど優しい甘い世界ではない、無情な面も多々あるのだ…というメッセージ性はよく見える
断片的なカットを連続させる映画の撮り方が非常に斬新であり、これはこれで完成していて画期的だなと感じた