溌狩

少林虎鶴拳の溌狩のレビュー・感想・評価

少林虎鶴拳(1978年製作の映画)
4.0
・清朝の時代、白眉道人という男の手で少林寺は焼き討ちにあい、禅師は殺された。復讐を誓った虎形拳の使い手ハンは仲間たちと長年に亘る修行に励み、やがて妻と子供も得て、白眉道人に戦いを挑むが……というおはなし。

・コメディタッチでテンポよく進んでいく上、アクションシーンも盛り沢山でかなり観やすい。白眉道人のことなど忘れたかのようにハンと妻が新婚初夜組手(比喩ではなく本当の組手だからすごい)を繰り広げたかと思えば、次のシーンでは復讐心を燃えたぎらせる修行と決闘、そして次は一家団欒で平和なひととき……と緩急をつけた展開が楽しい。親子二世代で白眉道人に立ち向かっていくのもアツい。

・『キル・ビル』に登場するパイ・メイというキャラクターの元ネタが白眉道人だという話を聞いて興味を持ったのだけど、確かに自作の映画に出したくなるのも頷けるくらい白眉道人は印象に残る。
股間で相手の足を締めつけてロックし、そのまま引きずってチェストを決める必殺技は衝撃だった。一度技にかかったら最後、逃れる術がない。そして、突然明かされる「時間帯によって急所が移動する」という設定もすごい。もう武術の達人とかそういう話ではない気がする。
溌狩

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