木野エルゴ

マージン・コールの木野エルゴのレビュー・感想・評価

マージン・コール(2011年製作の映画)
4.0
アメリカのとある大手投資銀行で大規模な解雇通告が行われていた。そんな中、リスク管理部門の責任者エリック・デールが即日解雇を言い渡される。エリックはオフィスから去る直前、部下のピーター・サリバンに自分がやり残した仕事を託す。

エリックからUSBを受け取ったピーターはその中にあったデータを解析し、会社が保有するサブプライム商品(MBS:低所得者向けの住宅ローンを組み込んだ証券)が、会社の時価総額を上回る損失を出す見込みが非常に高いことを突き止める。しかも、MBSの変動率は過去2週間で危険水域を何度も上回っていた。

時刻はすでに夜の10時を過ぎていたが、ピーターはエリックの上司である取引管理部長のウィル・エマーソンをオフィスに呼び出す。世界中を揺るがすことになる金融破綻の幕開けだった…


何故かは自分でもよく分からないが、オールタイムベストに入るぐらい好きな作品。過去に何度も見ていて今日もまた見た。

終始淡々としていて絵面的にはとても地味だが、適材適所のキャスティングで見ていて気持ちがいい。役者が巧みで全員に説得力があり、重役会議の緊迫感が尋常じゃない。ジェレミー・アイアンズが怖い。

登場人物の描写もよく出来ていて行動に矛盾を感じないので、見ていてストレスが少ない。特にポール・ベタニー演じるウィルの振り切ったリアリストぶりが良い。酷い考え方だが、そこに誤魔化しが一切ないところが清々しい。

ちなみに、この作品の制作会社である「ビフォア・ザ・ドア・ピクチャーズ」はザッカリー・クイントが関わってる会社で、製作にも彼の名前が載ってる。そういえばザッカリーが演じたピーター、おいしい役どころだったなぁ。
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