一休

プロフェッショナルの一休のレビュー・感想・評価

プロフェッショナル(1981年製作の映画)
4.5
2020年10月から始まった新宿武蔵野館の『ジャン=ポール・ベルモンド傑作選』第二弾では、【プロフェッショナル】を最初にした。
理由は、音楽がエンニオ・モリコーネだからだ♪
とは言っても、そのChi Maiという曲は、元々が【マッダレーナ】という作品の中で使われていたもので、ベルモンドがその曲を気に入ったもので、この作品で使い倒すことになったらしい。(笑)
フランスのスパイ組織DGSEの指令で、マラガウィアのンジャラ大統領暗殺に向かったジョス・ボーモントが捕まってしまい、投獄されてしまう。
それは、フランス側の政変で、両国の政治状況が変わったことで、DGSEからマラガウィア側へボーモントを差出すという裏取引がなされたからであった。
刑務所の中で相棒を作り、2年後にやっと脱獄したボーモントは、政治情勢で裏切りを行ったDGSEとフランスという国そのものに復讐を果たすため本国に戻る。
本国に戻ったボーモントは、自分が戻ったという事をDGSEへ知らしめ、ジワジワと組織を追い詰めながら、ンジャラ大統領暗殺の手順を進めていくのだった。
というストーリーが進んでいく。
本来は、凄惨で無残な内容が淡々と進んでいくであろう話なのだが、ベルモンドのキャラと、それを活かすためにちりばめられた美人女優たちのおかげか、作品そのものに暗いイメージは少ない。
しかし、GDSEのエージェントであるローゼンは、レ・ミゼラブルのジャベール警部の様で、憎しみまで込めてボーモントを追い詰める。
それなのに、ローゼンの部下であるファージョスが大事な所でやらかしてくれる。(笑)
ラストも、ファージョスがキーになっていて、「ああ、やっぱりね。」感満載だ。
ヘリコプター好きのベルモンドなので、そこが見所になるかと思いきや、特にそういう場面が設定されているわけではなかった。
【ランボー】は1982年の映画なので、国家に翻弄されたエージェントという設定は、こちらの方が先なのであるが、あくまでも陰惨にラストを締めたこの作品の方が、いかにもフランス映画、ベルモンド作品という気がする。
ベルモンドのスパイ映画なので、あちこちで銃撃戦とカーチェイスがあるのだが、アフリカに持ち込んだアサルトライフルがM16(A1ではない)で、本国に戻って来て使う銃がコルト・パイソン 6inモデル(でかい!)、GDSEに務める女性エージェントが持っているのがラーマ 32ACPだし、ローゼンはM1911A1を持っている。
クルマも、もちろんフランス車のシトロエンやルノー12、アルファロメオ アルフェッタGTも出て来ていたのだが、プジョー505とフィアット131 スーパーミラフィオリのカーチェイスで、131をガンガンぶつけているシーンを見て、「ぎゃーー、そんな希少車をーー!」と思ってしまった一休なのであった。
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