「遺作」と呼ばれる物をあまり貶したくはないのだが、まぁ、普通のロマンス作品。
リヴァーの遺作という冠が無ければ時間の中に埋もれてしまってもおかしくない程度の内容。
そしてそのリヴァーの演技が何と言うか、カッコつけすぎでオーバーアクトなので、観ている方が恥ずかしくなるものなのもマイナス点と言えるだろう。
ストーリーも平凡。
でも、終盤でバスでヒロインがNYに帰ろうとするところで終わっていればかなり点数が上がったのに、その後の昭和青春ドラマのようなありえない展開が実に残念。
ちょっと冷たいぐらいのそっけない別れをみんなとして、そのままバスの中で物思いにふけるヒロインの絵で終われれば、リアリティがぐっとまし後味も印象的になったのに。
さて、今作一番の観所は何と言っても「スピード」でブレイクする前のサンドラの輝きだろう。
他の出演者も当時の有望な若手を集めたようだが、サンドラの存在感というか、スターオーラは飛びぬけているのが分かる。
って言うか、彼女を主役としたら大ヒットしたんじゃないか?
リヴァーの遺作としてファンが見れば楽しめる作品だろう。
余談。
中心にカントリー・ミュージックがあるし、リヴァーのオリジナルも難曲か劇中で披露されているのだが、全体としてあまり耳に残る曲が無く「音楽物」としては残念な感じ。
演奏シーンやスタジオ、ライブハウスなどでの演出はリアリティがあり良かった。
ここら辺はリヴァーが実際にミュージシャンだったことの功績だろうか。
でも、一番の観所は、靴付きパジャマでダイナーに来るサンドラの可愛さだろう。笑