KANA

素直な悪女のKANAのレビュー・感想・評価

素直な悪女(1956年製作の映画)
3.6

言わずと知れたBBの出世作を久々に。

とにかくBBの小悪魔的な魅力を存分に堪能できる作品。
スカスカなストーリーなんてこの際どうでもいい。

どこでもすぐ裸足になる。
絶対髪をきっちりゆわえない。
口を大きく開けて笑う。
怒る時には相手が誰であろうと半端なく怒る。
恋するとその男の人の人生を支配してしまう。

…生意気で奔放で…でも憎めない。いやむしろそれが可愛くて仕方ない。
当時の正統派な女優たちは絶対に敵わないBBの型破りな個性にやきもきしただろうなぁ。

メリハリカーヴィーボディはコケティッシュなだけでなく、バレエで鍛えたしなやかな筋肉で首筋、体幹、爪先まで凛とした美しさもあり、ビッチな役でもそういう所で育ちのよさが垣間見れる。

フェチ観点だとあの絶妙にめくれ上がったくちびる。
ナスターシャを超えるクィーンオブロリータリップだ。

彼女はすべての単語をとっても慎重に、注意しながら正確に発音しようとする。
それでいて、ちょっと気取った喋り方になってしまってるのがものすごーくチャーミング。

マンボのリズムにのったセクシーなダンスシーンがあまりにも有名だけど、個人的には冒頭の日光浴シーンもめちゃくちゃアンニュイで好き。
キューブリック&エイドリアン・ライン版『ロリータ』のお庭で寝そべりシーンは本作オマージュなのかな?

本監督のロジェ・ヴァディムが夫にも関わらず、共演のトランティニャンと撮影中に恋に落ちるなんてさすが。
限りなく素に近いナチュラルでワイルドなBBをサントロペの景色と共に鮮やかなカラーフィルムに収めてくれたという点ではヴァディムに感謝!
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