はるちゃん

ザ・サムライ/荒野の珍道中のはるちゃんのレビュー・感想・評価

4.0
マチャコ族の村に着いた時から急展開。価値観を試されるようなセリフの連続でグサグサ刺さる。

だから、いろんな国のいろんな人種の人たちが登場するんだね。

差別も偏見も、信念のある人間には結局のところ無縁。スイスチーズは金が欲しいっていう信念、サクラはサムライの信念、ギデオンは法を守るっていう信念。「お前らの仲間が殺しに来たぞ!」と酋長になじられたのに、そうするのが当たり前という体で彼らのために戦える3人が最高。もちろん目的は別々なんだけど。

つづらの鍵穴の色がなぜその3色だったのか?ここまで観てやっと分かった。

ピタゴラギャグの連続で気も緩んで油断してたら、ハッとしちゃった。マチャコ族が行き場のないサクラを受け入れてくれるとことかも最高でしょ。サクラは真のサムライ精神を持ってるのに、その見た目と生まれのせいで誰も気がつかない。マチャコ族は、何の偏見もないからサクラの言葉に純粋に耳を傾けられ、彼の本質にたどり着けたのでは。神秘なものへの畏怖に似た気持ちでサクラを村へ招いたのかもね。コメディパートに隠されながら語られる、どこにも属しきれないサクラの出自とそれを跳ね除けようとする本人の努力、絶対になれないサムライへの憧れが、すごく印象深かった。

余談ですが、いつも西部劇を観ていていいなぁって思うのは、銃の腕さえあればどんな生まれ育ちでも主人公になり得るところ。時代劇も楽しいんだけど、サムライって結局身分だもんね。菊千代13歳(実は百姓だった7人の侍のうちの一人)ってやっぱり凄いキャラなんだなって本当に思う。

それと、ジュリアーノ・ジェンマがやっぱカッコいい!服も最高にカッコいい、伊達な詐欺師役おしゃれすぎる。