イチロヲ

ザ・サムライ/荒野の珍道中のイチロヲのレビュー・感想・評価

4.0
アメリカ西部にて盗賊の襲撃を受けた日本特使(トーマス・ミリアン)が、大統領に献上する仔馬を取り戻すべく、詐欺師(ジュリアーノ・ジェンマ)と保安官(イーライ・ウォラック)を仲間に引き入れる。マカロニ・ウエスタンのセルフ・パロディ的作品。

三者三様の境遇に立たされている男たちが、紆余曲折を経ながら、一蓮托生へと収束していく、いつも通りの西部劇。登場する日本描写も、中国とゴチャ混ぜになっている、いつも通りのトンデモ日本文化。

主要人物のナンチャッテ日本人は、極めて漫画的なキャラ作りにより、頓狂な道化役に徹している。しかし、「人種のフィルターを取り除いた観察眼の持ち主」という、重要な役どころを担っているところがキーポイントとなる(原題に注目すべし)。

声を出して笑える場面、脳裏に焼き付く場面は特段登場しないが、総合的には愛着が湧く作品といえる。何よりも、トーマス・ミリアンのベスト・アクティングに拍手を送りたくなる。ノリの良い主題歌もエクセレント。
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