爆裂BOX

バーサーカーの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

バーサーカー(2004年製作の映画)
4.0
旅行中パンクした車を修理する為、助けを探す一家4人。立ち寄ったドライブインの店主である老婆に招かれ彼女の家を訪れると、そこには異形の人間達が待ち受けていた…というストーリー。
その「ガチで監督の頭おかしんじゃないか」という支離滅裂っぷりからカルト化してる感のある田舎ホラーコメディです。
旅行中の一家が田舎に棲む殺人鬼一家に襲われるという「悪魔のいけにえ」フォロワー作品の一つですが、バカ映画的なイカレっぷりなら本家を超えるんじゃないかと感じさせる作品でした。
主人公一家が殺人一家の家に招かれて父・母・弟の主人公以外の家族が殺されるまでが割と早いですね。
殺人一家の面々も主に殺人を行うゴーグルはめた目に鉄の牙の顎のマスクをつけたサージョン、ひたすらテンション高く喚きながらピカピカに磨いた皿を投げつけてくる小人プレート(演じるは「ハリーポッター」等にも出ている小人俳優ウォーウィック・デイヴィス)、むき出しの巨大な脳味噌持った比較的まともなブレイン、一家を牛耳る婆さん、彼らを作り出した謎の存在クリエイターと本家に負けず劣らずキャラ立っています。戦闘面で目立つのはサージョンで、プレートは皿投げつけるけど外しまくるし当たっても「痛っ!」くらいのリアクションで済んでます(一人死ぬけど)
ブレインに気に入られたティナが監禁される所まではまだ理解できる範疇の物語ですが、そこからティナをデートに連れ出したブレインが都会での憧れを語るシーンで、ブレインの妄想シーンで全裸で街中を走り回る映像(しかも無修正でブラブラハッキリ映ってます)流れたり、ティナも「逃がして」と言いながらブレインが一人でバイクの所戻って縛られてもない状況でも逃げなかったり、「マッドマックス怒りのデスロード」よりも早く花嫁姿のティナをボンネットに縛り付けて車走らせたり、殺人の手伝いさせられて覚醒したティナがブレインの分かりやすすぎる弱点攻撃したら頭の中から変な物が飛び出して来たり、仲間殺された老人バイカー軍団がリベンジに来て吹き飛ばされたりと此方の想像と理解越える展開が続いていきます。
バイカー集団の中でもブルブル震えてた爺さんが仲間の死にキレて上半身裸になってプレート追い掛け回してボコボコにして首引きちぎる戦いは爆笑しながらも見入っちゃいました。蹴り飛ばした首が通行中の車に当たる流れもギャグ漫画みたい(笑)その後の婆さんとのキスと二人で仲良く帰る所も笑いました。
終盤で姿を現すクリエイターの姿にも度肝抜かれます。いちいちポーズとりながら話す所も(笑)腹の中からグロい赤ん坊飛び出させて来たり、でもアッサリやられて一番弱いんじゃないかと思わせる所や「ダイナマイト」と書かれてるパンツめくったら本当にダイナマイト出てくる所は「どういう事や!?」と思いました。
ゴア描写は序盤から子供真っ二つにしたり、小型爆弾で頭や腕吹き飛ばしたり、ホース引きちぎられた婆さんがドロドロに溶けたりします。トラックで飲酒運転しながら騒いでるメタボ連中や老人バイカーたちなど犠牲者要員もそれなりに投入してくれますね。
サージョンに止めを刺そうとするティナの前に「許すことが大切だよ」と家族の幻影が現れてそれに「殺す!」と止め刺す流れは好きですね。
バッドエンドからの延々悲鳴が流れ続けるエンドロールも中々に強烈でした(笑)
エロ要素を引いたトロマ映画というべきか、常人にはオススメは到底できませんが、想像と理解越えまくる展開が強烈に印象に残るカルトと呼ぶにふさわしい怪作ではないでしょうか。