わたべ

劇場版 アイカツスターズ!のわたべのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

この「劇場版アイカツスターズ!」では序盤、主人公 虹野ゆめと親友でありライバルでもある桜庭ローラとの“衝突”が描かれる。衝突があるということは、“和解”がクライマックス、というのが物語の必然であるけれど、衝突から和解に至るプロセスは友情というより、むしろラブストーリーの典型といってもよさそうなものだ。風が吹き抜け花が咲く丘で、顔を近づけ、激しい愛情の告白をぶつけあうシーンを観て、子供たち(とその親)がどう感じるのか、想像はなかなか難しい……本当に難しい……ぼくは混乱しているのだ。

一方、彼女たちの憧れの存在であるS4のステージの素晴らしさに問答は無用だ。ゆめとローラを巡るストーリーの内容や展開に、賛も否も混乱も意見もあるだろうけれど、この夏の島の夜のステージの演出には、誰もが心が奪われるに決まってる。S4が何故、無数のアイドルたちのトップであるか、憧れられる存在であるかを、弦で、笛で、踊りで、歌で、神秘的に、幻想的に、妖精的に、劇的に見せつける。このS4のステージが「劇場版アイカツスターズ!」を特別なものにしていると言い切ってしまっていいだろう。

ところで、この作品にはひとつのネックレスが二本のブレスレットになるという物的な変化がある。もとを同じくするふたつのブレスレットが「アイカツスターズ!」と「アイカツ!」の関係のようにも思えてしまう。いやまあさすがに考えすぎだと言われそうだけど。
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