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ベン・ハーのcamusonのレビュー・感想・評価

ベン・ハー(1959年製作の映画)
4.6
冒頭、実に6分以上にもわたって、
宗教壁画の一部、人物の手だけをアップにした止まった画像のまま
音楽が流れ続けます。
とりあえず、円盤の不良か、機械が故障したのかと思いましたよ。
200分を越える大作ですが、この部分だけは
時間の無駄だと思いました。

本編は、とにかく映像の迫力と、緻密さ、精細さに、
食い入るように見入ってしまいました。
最大の山場はチャリオットレースのシーンで、
臨場感にあふれ、かつ、演出過剰に陥らずに
地に足の着いたリアリティが感じられるという奇跡的な仕事です。

それ以外のシーンも、それぞれ、非常に丁寧に綿密に
深みのある美しい映像に造り上げられています。

ストーリーがわかりやすいのもいいですね。
シンプルな復讐劇が物語の軸となっていて、
それに、キリストの生誕、磔刑のエピソードをうまく絡めて、
物語に奥行きを与えています。

終わり方はちょっとどうかなと思いましたが、
キリストなら仕方ないと思い直しました。
「南アなら仕方ない」と類似の免罪符的な何かを感じます。
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