西村権太郎

ベン・ハーの西村権太郎のレビュー・感想・評価

ベン・ハー(1959年製作の映画)
3.0
私のお気に入りの悪口は
「神よお許し下さい。彼らは自分が何やってるのか分かってないのです。」
です。w
良く、使ってます。w

その台詞が出て来たので笑っちゃいました。それを最初に言った人が登場して本気でそれを言います。

そしてついでに、憎まず赦す事の重要性が本作の中では度々説かれています。

そこは気に入りました。

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皆さんは第一次世界大戦がなんで始まったかご存知ですか?
私は知らなくて、最近本で読んで知りました。
学生時代勉強して来ませんでしたので。

サラエボで、オーストリア皇太子夫妻がセルビア人に暗殺されたから。
って事らしいです。

些細な事から大事になるもんですね。
その後第二次世界大戦に迄発展しますから、ヒロシマナガサキとかボカーンってなったのもサラエボとかセルビアとか起因って思うと変な感じがします。

そしてこの物語の色々なトラブルの原因は全て屋根瓦の糊がシッカリくっ付いてなかったせいと言って良いでしょう。

そして人は全く寛容じゃありませんでした。この時代。

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たぶん、作り手はあんまり意識してないと思うんですが、1959年の作品にも関わらず非常に現代的な問題が色々盛り込まれていました。と言うか人類のアホさは今も変わらないって事ですね。

疫病が蔓延した時の一般ピーポーのアホ行動(陽性者に石投げたり)はエイズやコロナで動揺するマヌケ人間達の予言風刺ですし、何人(人数ではなくw国籍・民族)か、出身は何処だ、奴隷制、階級役職家柄エリート意識。当然女は下の存在。ホモソーシャル。

正しい倫理観の芽はこの時代から存在したのに、浸透には時間が掛かるのだなと、若しくは不可能なのだなと逆に感じました。

マイケル・ムーア作品でお馴染みですが、当のベンハー役チャールトン・ヘストンがあれですから。銃バンザイなリパブリカンズ。そんな風なキリスト教礼賛臭がこの作品内でもちょっとするので、その辺りは自分フィルターで誤魔化し乍ら観ました。

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監督はロマ休のウィリアム・ワイラー。「コレクター」も彼の作品と考えると、どんだけ幅が広いんだと感心しちゃいます。

私は凄く好き嫌いが有るので、良いと言われている作品でも、苦手かな〜と思うとかなり気分が乗らないと観れません。
けどいつ死ぬか分かりませんから、やっぱり名作は観ておかないとと思って重い腰を上げました。

ここ最近はそんな感じの作品選定もしてみています。

ラストエンペラーまではベンハーでした。
その後タイタニックが塗り替えて。
アカデミー賞の歴史の事です。
それらの共通点は、ビッグバジェットでデカいセット、壮大なスケールだけれども、感情や関係や社会学、生きる意味等を問うていたり人間ドラマが土台としてシッカリ有る点です。
西村権太郎

西村権太郎