クラーウィス

ベン・ハーのクラーウィスのレビュー・感想・評価

ベン・ハー(1959年製作の映画)
4.0
ジュダ・ベン・ハーの半生を本筋に、イエス・キリストの生涯を交差させて描くスペクタクル超大作。アカデミー賞では史上最多記録11部門を受賞した。

歴史的な価値でいえば星5つ。CG技術がなかった時代に作られた、本物の映像だからこそ、臨場感に溢れている。
3時間以上の長尺でも体感的には長く感じなかった。世界観がとても作り込まれていて、2000年前の世界に魅了されました。

今ではもうこういう映画は作れないと思います。チャールトン・ヘストンを始めとした俳優たちから感じる大人のカッコ良さ、世界観の色彩とか重厚な表現が唯一無二でまさに伝説の作品ですね。今のシステムで作ったらどこか軽い感じになってしまう気がします。それだけ偉大な作品ということです。

戦車競走のシーンは圧巻。一番すごいと思ったのは『音』。音楽を使わずに、馬が地面を蹴る乾いた轟音。戦車のぶつかり合う音。大観衆の歓声。表現されている空間に映画的な面白さを感じた。
馬たちの躍動に巧みなカメラワーク。CGを使っていない実写のスリル。巨大なセットとエキストラの数。今観ても見劣りしないどころかむしろ優れているといえる異次元の迫力。
そこにこのシーンに懸ける気迫を感じた。