とうじ

殺人者はライフルを持っている!のとうじのレビュー・感想・評価

4.5
「ナバロンの要塞」を見た時に、「え、これまんまタランティーノのイングロやん」と衝撃を受けたのだが、今回本作を見て、「まんまワンサポやん」ってなった。

落ち目の映画俳優が、運命のイタズラでサイコパス殺人鬼と鉢合わせることになり、結果俳優が殺人鬼をボコボコにして終わる。

でも、ワンサポはその対決が「架空対現実」になっていたところ、本作では落ち目の俳優を「フランケンシュタイン」のボリス・カーロフが演じていることで、「旧世代のモンスターvs新世代のモンスター」という構図になっている。
あと、ボリスカーロフ以外の役者陣の、絶妙に下手な演技が、アメリカ郊外の日常生活の窮屈さをうまく引き立てており、わざとかはわからないが(多分普通に演技が下手なだけ)、ノーマンロックウェル的価値観への皮肉な視線を投げかけている。
殺人鬼がスナイパー銃で人をゴミのように殺していくシーンは無機質な怖さがあり、特に彼が公園で遊ぶ子供たちをじっと眺めたあと、「よしっ」という感じで急に動き出すシーンは、その行動が直接は悲惨な展開につながりはしないにしろ、それだけでどきっとする。
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