TAK44マグナム

ロックンロール・フランケンのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.8
伝説のロックスターたちが超合身!


端から端まで全てがスーパー安っぽい、しかしアイデアが光る面白ホラーコメディです。
お馬鹿すぎるにもほどがあるけれど何処かシャレたセリフも良い。
「こいつは助手に最適だぞ」
「では専門は?」
「(俺、ジャンキーだから)クスリだよ」
「ああ、化学関係?」
・・・などというアホな会話がワンサカと出てきます。
まあ、その90%は下ネタとドラッグネタばかりですが。


音楽プロデューサーのバーニーは、所属する人気ロッカーに出て行かれてしまい困っていた。
そこで、甥である科学者フランキーの死体再生実験に目をつけ、資金をだすことに。
フランキーは元は検視官だったのを死体とセックスしたためにクビになり、以後、死体を蘇生させる研究に没頭しているのであった。
「月刊・検視官」をオカズにしてオナニーにふけるフランキー。
はっきり言って変態だが、彼の死体再生薬は本当に死んでいる細胞を活性化させる効果を持っていた。
バーニーはジャンキーである部下のイギーに、伝説のロックスター達の墓を暴いてこいと命ずる。
エルビス・プレスリーの頭、ジミ・ヘンドリックスの手、何に必要なのかサッパリ分からないがシド・ヴィシャスのオケツ、そしてジム・モリソンのチンコ・・・
世界中から集めたロックスターたちのパーツを合体させ、高圧電流を股間に流すと、ついにスーパーロッカー「キング」が目覚めるのであった。
最初はギターを弾くことも出来なかったキングだが、色々やるうちに人気ミュージシャンの仲間入りを果たす。
バンド名は「異常な衝動」!
チャート一位を駆け上がり、絶頂のキングやバーニー達であったが、実はチンコはジム・モリソンのものでは無かった。
アクシデントがあって(←ここも最高にバカで面白い)、イギーがテキトーに選んで持ってきたゲイのチンコだったのである。
エルビスは生粋の女好きだが肝心のチンコは男のアナルを求めるという異常事態が発生し、キングは性の悩みから歌を歌えなくなってしまう。
しかも、マッチョなイメージで売り出して女性ファンを増やしたのに本人がゲイではイメージ倒れで大問題。
そこでバーニーはフランキーにチンコを付け替えるよう依頼するが、すでに自我をもつに至った巨大チンコ(もはやチンコには見えない作り物なのに、わざわざボカシあり)は血管を背骨に巻きつけて抵抗、手術は断念されるのであった。
半分、気が狂ったキングは怒りにまかせて次々と殺人を犯し、ついに警察に追われる身になってしまう。
逃げ込んだ(何故か)スナネズミ置き場で、いよいよ常軌を逸脱したキングは、イギーが止めるのも聞かずに「ある決断」を下すのであった・・・!


1人の人造人間が、心は女子とセックスしたいのにチンコが言うことをきかないという、確かに馬鹿馬鹿しい内容ではあるのですが、ラストのキングのセリフなどは深いものがあったりして意外と普通に観れちゃう珍品です。
ちょっと変わった性同一性障害やEDの問題を扱った映画とも言えるかもしれません。ギャグにしちゃっているのはどうかと思いますけれど、キングは終始まじめに悩んでいるんですよね。

でもまあ、やっぱりお下劣な趣味が前面にでた作風であることに違いはないと言うか、エルビスの頭を掘り出したらド派手なサングラスをかけていたり、罰当たりにもキリスト像を司祭のアナルに刺したり、そういった宇宙一バカな描写で笑わしたもの勝ちだと思っているのは間違いないでしょう。
心底くだらないけれど、思わず笑っちゃいましたよ。
あまりにも下品。でも、白旗あげるしかないですよ、これは!

大体、いくら土葬とはいえ掘り出したら既に白骨でしょうに(苦笑)
なんでシド・ヴィシャスの臀部が、シド&ナンシーのタトゥーがはっきりと残っているぐらいに新鮮なんだよ!
骨だけじゃ再生薬は効かんと思うのですがね、どうしてだか皆、お肉が残っているんですよね。そんなわけないだろ!
あと、胎児ネタはさすがに不謹慎すぎるよなあ・・・(汗)

とてつもなく演技もヒドイし、映画の出来自体は決して褒められたものではありませんが、ホラーと言ってもちっとも怖くないのでジャンル映画好きのカップルが「ハロウィンだから変なの観よう!」とか何とか、イチャイチャしながら何も考えずに観るぶんには構わないと思います。
思いっきりツッコんでくださいね(←意味深?)!


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