TAK44マグナム

ブラッディピエロ 100人連続切り裂きのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.2
どんどん殺っちゃって〜!


何でしょうか、これは!
一体、何を観せられたのでしょう?
これほどガバガバで大味なスプラッターホラーがまだまだ世界にはたくさん眠っているのかと思うと、それが怖いよ!って思ってしまう悪夢のような怪作。
アンドレアス・シュナースとかティモ・ローズのグチャゲロなスプラッターと同様、とにかく人が理不尽に、そして破壊的に殺されるのを見るためだけの映画であり、申し訳なさ程度にとってつけたストーリーはテキトーの極致を誇ります。
しかも天下のJVDブランドということで、伝家の宝刀である吹き替え版を選択したのですが、これがまたもの凄い!
超弩級のいい加減な訳・・・というか、たぶん七割ぐらいはちゃんと訳していないアドリブ具合に腹がよじれて、「脳みそを溶かす気か!」と思いましたよ!
なにせ、何言っているのか会話が成り立っていない箇所があるわ、超訳のおかげでストーリー自体が破綻しているわ、殺されるキャラが「なんくるないさ〜」とか言って何故か沖縄のうみんちゅ化しているわ、刑事が死ぬまで「やらして」だの「脱いで」だのエロ台詞しか言わないわ、ダイナーのウェイトレスがコーヒー持ってきたのに「はい、きつねうどんお待ち〜♪」とかなんとか、あげたらキリがないほど訳が分からないカオスっぷり!
これ、台本からしてこんなんだったのでしょうか?
狂ってますね!好きだけれども、本当に内容がさっぱり分からなくなるので字幕版も観ないといかんのか(汗)?
この地獄をもう一度味わえと?

まぁ、作品自体もおかしいところしかないんですけれどね。
いきなり何の関係もない施設をピエロが襲って、序盤から人がナタで屠殺されまくります。
このピエロのオッサンが豪腕でしてね、一振りで首なんてすっ飛んでいきますからね。要注意どころの騒ぎじゃないですよ!
もう、そこらじゅうが血の海です!
何故か「どすこい、どすこい」とか言っていた車椅子女子も謎でありました。
前世が相撲取りだったのか?

主人公は地方タブロイド紙の記者であるジェニファーとマイクの男女2人組なんですけれど、この方々の会話も噛み合っていたり、合っていなかったりと忙しい(苦笑)
ジェニファーはそれなりに美人さんなのですが、腹筋運動をするのを真正面から撮って、「なにか」を想像させるショットとか、エロそうなのに気付いてみればエロい場面は殆どないのであしからず。
しかしこの2人、一緒に住んでいる風なんですけれど、実際はどういう関係なのでしょう。
やはり恋人同士ではあるのかな?
そういう相関図みたいなのも、こちらの想像で補わないといけないのも本作の特徴。
つまり、脚本からして下手くそ(汗)
ついでに(吹き替え限定の問題ではありますが)声優さんもあまり上手な方の参加がございません。
米倉涼子や次長課長の井上ぐらいの力量。
山ちゃん連れてきてー(悲痛)!

でもまぁ、細かいことは言いっこナシ!
残酷なのを観て楽しめってことなのでしょう。
その開き直りもバカっぽくて宜しい。
バカといえば、途中のコメディ風な追いかけっことか、中途半端なハーレイクインもどきのナンパとか必要?
どうして明日の食事の約束になるの?
しかも沖縄料理って、いくらなんでも意味もなく沖縄に拘りすぎなんですけれど、これの訳者さんは琉球王国のご出身か何かってことなのかな(汗)
ハーレイクインもどきも「実はトチ狂ってます」の描写がリスカならぬ腹カットとか誰得な場面。
というか、色々と編集がおかしいので理解が追いつきません。
でも大丈夫。
頭が混乱してくると、それを見通したようにゴアゴアタイムがやってきますからね。
とりあえず、意外な(?)ピエロとハーレイクインもどきの関係とかが明らかになったところでまたまた大残虐大会が催されますよ!ヒュー、ヒュー!
無関係なパリピたちが真っ二つにされたり、はらわたを引きずり出されたり、ボコボコのボコにされたりと、げんなりするほど悪趣味な人体破壊がこちらの満腹中枢までをもブレイク!
この映画、ただ死ぬためだけに出てくるモブが多すぎ!
100人は言い過ぎですけれど、30人以上はお亡くなりになられているのでは?
不動産屋と客とか、とばっちりもよいところですよ。無駄に可哀想!

いよいよクライマックスになると、ついにピエロのアジトを突き止めた主人公たち&刑事たちのスーパーコンボがメタボ気味のピエロ(+1)と対決!
グダグダやっているうちに意味不明な展開になだれ込み、「結局薬局、ワタシが最強よ〜♪」と意気Yo-Yo!となったところでホラー映画あるあるなバカエンド!
呆気なく終了DEATH!

そういえば、これだけブッタ斬りマンセー!な映画なのに珍しくチェーンソーは使っていませんでした。
ナタに対して異常な愛があるナタフェチなのかもしれませんね。
それと、最後まで謎だったのが「涙の殺人鬼」という異名。
殺害現場に涙のしずくの形をしたサインを残してゆくから名付けられたのですが、あのピエロのオッサンには全然似合わない。
もしかして、ピエロメイクの目の下によく描かれるしずくマークが元ネタなのかな?
どうでも良いけれど!


思い返せば雑な映画の決定版みたいなウンコ映画でしたが、「とにかく頭と四肢は胴体から切り離さないといかん!」とか常日頃から決めつけて生きているスプラッタージャンキーな方々にはこれ以上ないであろう、映画の神様からの贈り物に違いありませんので遠慮なくご堪能ください!
観賞後のトイレタイムでは、きっとこの映画のDVDが貴方のオケツから生まれ出てくることでしょう。

※追記です

ゴアフェスにて久しぶりに鑑賞、しかも劇場のスクリーンで!笑
字幕版なので面白度はダウンしていますが一部、吹き替え版ぽさが残してあったような気がします。さすが!
完全版ということでゴア度がアップしていたはず・・なのですがクライマックスに突入した辺りで寝てしまったらしく、気がついたらエンドロールでした😅💦

ゲオ宅配レンタル、ゴアフェスにて