ノッチ

ブラッド・エイプリル・フールのノッチのレビュー・感想・評価

3.5
4月1日のエイプリルフールの日、高校でクラスメートに苛められているマーティンは、素っ裸にされて便器に頭を突っ込まれ、化学室で硫酸をかぶり病院に入院する羽目になる。

マーティンは顔の怪我よりも、むしろ精神がヤられてしまった。

5年後、エイプリルフールの前日に同窓会の案内が来ていじめっ子が高校に集まるが、高校は既に廃校となっていた。

皮肉な事に、この同窓会も4月1日であった。

『ハロウィン』『プロムナイト』に代表される80年代スプラッターの名作。

『エイプリル・フール』(1986)(ビデオタイトル:『エイプリル・フール/鮮血の記念日』)ではないのでお間違えなきよう。

さて、本日はエイプリルフールですが(ついでに新元号が「令和」に決まった日)、『エイプリル・フール』派と『ブラッド・エイプリル・フール』派が雌雄を決する日らしいですね。

どっちも良さがあるので甲乙つけがたいですな。

この作品の内容は、一言で言ってしまえば『キャリー』などのように虐められっこの復讐劇です。

ブチキレすぎて、それが残忍な殺人手段を取るといった流れですね。

正直コイツらがやったのはイタズラの度を越えて、陰湿な犯罪級のイジメです。

なので観ててめっちゃスカッとしました。

まさに因果応報。

これほど80年代のアメリカン・スラッシャー映画っぽいスラッシャー映画ってそう無いんぢゃないか、と思うような映画です。

緊迫したシーンで流れる音楽も、『13日の金曜日』のパクりみたいで雰囲気あります。

と思ったら、今作の音楽担当はハリー・マンフレディーニという人で、『13日の金曜日』も担当してたんですね。

似てるはずです。

ヒロイン役のキャロラインさんは1950年生まれなので当時36歳。

いくら美人な彼女でも高校生を演じるには無茶が過ぎる。

大学4年生くらいならちょうど良かったかも。

この作品は、当時のスラッシャー系他作品と同じく予定調和的なストーリーがラストまで続く。

殺人鬼のあのジョーカーの仮面はいいと思うけど、服装はなんとかならなかったんですかね?

ジーンズにジャンパーって・・・。

そんで命に危険が迫っている切迫した状況の時に、「実はずっとアナタの事が好きだった」と、セックス始めるアホカップルも登場。

今なの?

それ、今ヤラなきゃダメなの?

どうしてもヤラなきゃダメなの?

アホか!

もう同情の予知無しです。

今作の殺人鬼は、ジェイソンやマイケルみたいな筋肉バカの殺人鬼と異なり、その惨殺方法も実に手が込んでいる。

化学オタクなので化学の力を生かしてるってことなんでしょうね。

ドリンクに仕込んだ謎の薬品で男のお腹がボコボコ動き始め、腹が裂けて腸が飛び出て即死とか…。

他にも硫酸風呂の女とか、車に下敷き、絞殺、高圧電流とかバラエティいっぱい。

見ていて笑顔になれる殺人シーンがたたみかけるように繰り出される。

しかしグロ描写は腸がデロリと溶けて骨だけになるとかくらいなので、苦手な人でもちょっと我慢すれば大丈夫。

殺し方は趣向をこらしててテンポもまあまあなので、興味がある人は見て損はないかも。

ただ、舞台はアメリカなのに役者はなぜかほとんどイギリス人。

英語を無理してアメリカ風に話してるため、妙な違和感がある。

余談ですが殺人鬼を演じたサイモン・スカッダモアは、本作の出演直後に謎の薬物自殺をしているんですね。

そういう意味で曰く付きの作品でもあります。
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