TAK44マグナム

ブラッド・エイプリル・フールのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.3
イジメたら殺されるんだよ。
それでもあなた、イジメますか?


なんでエイプリル・フールって嘘ついて良い日なのか全然知りませんが、ついてよい嘘もある反面、ついちゃいけない嘘もあるわけでして。
「嘘だぴょ〜ん♪」じゃ許されない、シャレにならないイジメをやったら復讐されちゃったよ系のスラッシャーホラーです。
エイプリル・フールを題材にしたスラッシャーは他にも「エイプリル・フール/鮮血の記念日」がありますが、それとは別物。
こちらの方が内容的にもシャレになってないですよ。

化学オタクのマーティは、学校一のセクシー美女キャロルに「ねぇ、私とセックスしましょ♡」と誰でも嘘だと分かりそうな誘いを受けて大ハッスル!
「僕ってば、ほらセックスマシーンだからさ」などと、これもまた
ジョークにもなってないバカな嘘を捲したてながらシャワールームへ向かいます。
当然これはエイプリル・フールの大嘘。
チンコも露わになったところで記念写真を撮られ、更には便器に頭から突っ込まされます。
チンコを突っ込もうと思っていたら自分が便器に突っ込まれる羽目になろうとは!
これだけでも完全に犯罪なのですが、今度は薬品を使って実験中に変な薬品を混ぜられ大炎上、アタフタとしているうちに硫酸入りの瓶が落ちてきて顔に液が直撃!
哀れ、マーティの顔半分は醜くただれてしまい、正気を失った彼は精神病院に入れられてしまいます。
でも、事件にはならず事故扱い。
いじめっ子集団もそんなことはスッカリ忘れて数年の時がたちました。
卒業したキャロルなんて、ちゃっかり映画女優になったりして、みんなそれぞれ人生を謳歌しているのですが、いじめた方は忘れてもいじめられた方は一生忘れる事は無いのです。
そう、マーティのストライクバック、スタートDEATH!

同窓会があるってんで、現在は廃校になっている母校へとやってきたいじめっ子たち。
中へ入るとパーティの用意がしてあり、とりあえず楽しむことにします。
当然、そんなのはマーティの仕掛けた黒い罠!
劇薬入りビールや硫酸風呂、セックスをおっぱじめれば電流ベッドで死のエクスタシー!
持ち前のスキルを活かした悪魔トラップによって、次々といじめっ子たちへの復讐を遂げるマーティ。
うむ、その調子で頑張れ!
だって、あいつら死んで当たり前の犬畜生ばかりだしね!

ファイナルガールは、分かりやすくキャロルで、最後の1人になってからのグダグダの攻防がちょいと飽きます。
しかし、そこからのラストが「おっ!」と思わせる凝った締め方をしていて楽しかったです。
タイトルにエイプリル・フールと入っているだけあって、ちゃんとエイプリル・フールネタをぶっこんでくるのですが、それだけで終わらせないところがニクいね!
「ゾンビ」や「マニアック」をパクったようなカットからの、病院の場面は悪くない流れでした。
ラストカットもキモくて、最後までサービスが行き届いていますよ。

ただし、アイデア溢れる殺害方法は評価できるもののスプラッター度は低く、思ったより派手さはありませんし、とにかく暗い場面が多くて何が起きているのが分からないのが観ていてストレスがたまります。
ほぼ、セリフしか聴こえてこない場面がざらにある(汗)

それと、後半はテンポよく人が殺されてゆきますが、最初の殺人までがちょいと長いのでダレますね。1人目の犠牲者がでるまで約40分かかります。
それまでは、ボンクラたちの下らないお喋りを聞く時間が殆どなのが辛いところ。
ここで心が折れないように気をつけましょう。


エイプリル・フール映画だからなのか、やたらとバカっぽくて軽い劇伴を担当したのは「13日の金曜日」も担当したハリー・マンフレディーニ。
本作では、ちっとも怖くない曲ばかりで徹底しています。

キャロル役は当時のセクシー女優代表、キャロライン・マンロー。
製作時は既にアラフォーだったらしく、どこからどう見ても高校生には全く見えないのはご愛嬌。
因みに、彼女に仕事を依頼するプロデューサーの部屋には「ブラッドピーセス/悪魔のチェーンソー」のポスターが貼ってあったりします。


のらりくらりとトボけた雰囲気の、良くも悪くも80年代スラッシャーでしかありませんが、妙に気を引く一作。
「硫酸で、あんな簡単に顔の皮膚がズル剥けて骸骨にはならないよ!」
などと正しいツッコミをしながら観る映画でしょう。
暗所だけはいただけませんが、胃袋爆殺や高圧電流デスセックスなどの珍場面は他では中々見られない代物!
お好きな方は是非一度、お風呂に入りながらでも、スマホやタブレットで観てみてくださいね。
そうすると、たぶん蛇口をひねったら硫酸水がドボドボ出てきます!合掌〜!


某動画サイトにて(日本語無し)