ロアー

ファンのロアーのレビュー・感想・評価

ファン(2016年製作の映画)
4.0
幼い頃から国民的大スター・アーリヤンの熱狂的なファンであるゴウラヴ。容姿も似ていることから自分をアーリヤン・ジュニアと称し、彼を真似たパフォーマンスを行い地元のスターコンテストで見事優勝する。ゴウラヴは優勝トロフィーを見せるためアーリヤンの誕生日に彼に会い行くが、あることをきっかけにアーリヤンへの想いが狂気に変わってしまう。

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寝不足なので2日に分けて観ようと思ってたけど、面白くて一気見しちゃいました。これ「おとなの事情」みたいに各国リメイクして欲しいなぁ。各国の国民的スターにそれぞれ演じてみて欲しい。

シャールクがシャールクの熱狂的なファンを1人2役で演じるってところからして狂気。シャールクの演じ分けがすごくて、1人2役って分かっててもまるきり別人の2人がいるみたいに錯覚しちゃいました。

大スターのアーリヤンをシニア、熱狂的なファンであるゴウラヴをジュニアって呼んで行くことにするけど、25歳という設定のジュニアは一体どう演じてたんだろ???特殊メイクとCGなんだろうけどとにかく凄すぎて。脱いだシーンでもシャールクの腹筋が消えて薄っぺらくなってて、あのゴリゴリの筋肉はどこへ消えてしまったの???

まだ純粋にシニアを崇めてた頃のジュニアはかわいかったな。聖地巡礼したりシニアの誕生日に自分でケーキ買って写真飾ってお祝いしたり、これってオタクが普通にやるやつやん。実際に会いに行った後の複雑な心境もよく分かるし、何だかすごくいたたまれなくなっちゃいました。こっちは相手のこと毎日考えててセレブのこと色々知ってる気がしてるに、セレブにとっては大勢のファンのうちの一人でしかなくて存在の認識もされてなくて、そんなの分かってることだけどそれでもやっぱ辛くなったりするじゃん。そういう推しがいる人間には辛いぞこの映画。

シニアは国民的大スターっていう設定がシャールクそのままだったので、半分現実みたいなリアルさが恐ろしかったです。これだけファンがいたら実際怖い目にも遭ってるんだろうなぁ。誕生日に詰めかけたファンと、ゴウラヴの写真で映画が終わるところがまたじんわり怖かった。

インドではセレブが誕生日に家の前に出てきてファンに挨拶するんだって風習を「恋する輪廻」で知って、私も行ってみたいな~なんて気軽に思ってたんですけど、今回映像で見たら怖すぎて無理だと悟りました。人の数が尋常じゃなくてあわやドミノ倒しで生きて帰れないかも知れない。実際のシャールクの誕生日の様子も写真で見たけど、映画以上に大勢集まってて推すのも命懸けなんだなって思いました。

あと、ロンドンのマダム・タッソーが出てきたのも面白かったです。マダム・タッソーで初めて撮られた映画らしいですね。シャールクの隣にはジョニデがいたぞ!(あのジョニデと日本のマダム・タッソーで腕組んで写真撮ったことある~♥)
向かい側にはサルマン兄貴もいて、事件が起きた瞬間の”サルマン兄貴が見てるぞ感”が面白かった。兄貴が止めに入ってくるかと思うくらいリアルな蝋人形でした。
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