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ファンの小のレビュー・感想・評価

ファン(2016年製作の映画)
3.7
IFFJ(インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン)にて鑑賞。この映画、今回の上映作の中で特に人気で早くから席が埋まっていた。

インド映画に詳しくない自分にはよくわからないけど、主演のシャー・ルク・カーンさんの人気かしら。調べてみると「キング・オブ・ボリウッド」と呼ばれるくらいの方らしい。そういえば、マサラ上映で観た『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』の主演がこの方だった。

映画界のスーパースター、アーリヤン・カンナーの熱狂的なファンの青年ゴウラヴ。アーリャンのモノマネで何度も優勝しちゃうくらいの彼は、アーリャンをシニア、自分をジュニアと呼び、好き過ぎてちょっとイッちゃっている感じ。

誕生日にファンに挨拶するアーリャンに会いに向かうゴウラヴだったけど、大スターにはそう簡単に会うことはできない。ところが、あることがきっかけとなってアーリャンと念願の対面を果たすことができるのだけれど、「お前は俺のファンなんかじゃない」と拒絶される。この日を境にゴウラヴは熱狂的なファンから恐るべきストーカーへと変貌するのだった。

シャー・ルク・カーンさんは身長は高くなく、超二枚目というよりはむしろ個性的な顔立ち。何が凄いかといえば、多分、演技力で、これが人気の秘密かしら。インドでは親しみやすさもポイントみたいだけど。

本作では、狂気のストーカー、ゴウラヴと、苦悩する。スター、アーリャンの一人二役を見事に演じ分けている(そういえば、『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』も二つの異なる個性を演じる役だった)。

個人的にスゲェと思ったのが、ジャッキー・チェンを彷彿とさせる逃げっぷり、追いかけっぷりのアクションシーン。これが50歳のオジサンとは恐れ入るしかない。さすが、ボリウッドのキング。鍛え方が違いますな。

ストーカーとなったゴウラヴが、アーリャンを追い詰めていく様子も観どころ。本人が演じているだけあって、違和感のない見事な追い詰め方。

ということで、シャー・ルク・カーンさんのファンの方はもちろん、そうでない方もシャー・ルク・カーンさんの演技を楽しめるのではないかと。
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