エイデン

エルム街の悪夢/ザ・リアルナイトメアのエイデンのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

カリフォルニア州ロサンゼルス
悪夢の中の殺人鬼“フレディ・クルーガー”を題材とした映画『エルム街の悪夢』
映画のシリーズが新たにリメイクされることになり、1作目と3作目に出演した女優のヘザー・ランゲンカンプは作品のSFXを担当している夫チェイスの仕事ぶりを幼い息子ディランと見学していた
チェイスの担当は、映画のフレディが切り落とした右手にはめるかぎ爪のついた義手作りで、ラジコン操作で自由に動くように出来ていた
しかし休憩中、突如として義手は誤作動を起こしチェイスの指を切りつけると、意思を持ったかのように動き出し、製作者2人が死ぬ大事故を起こしてしまう
更にその混乱の中でディランが行方をくらませるのだった
それらは全てヘザーが見ていた悪夢だったが、目を覚ました彼女は巨大な地震に見舞われており驚愕
ここ最近 頻発している地震と関連があるようで、怖がるヘザーにチェイスは心配無いと声を掛ける
ヘザーは『エルム街の悪夢』への出演以降起こっているフレディの声を真似たいたずら電話や、悪質な手紙、映画を観ようとするディランに対して心労が溜まっていたのだ
2日間の出張に出かける予定となっているチェイスはヘザーを励まし出掛けていくが、彼の指には夢で見たものと同じ傷が出来ていたり、地震の影響で壁にフレディが引っ掻いたようなヒビ割れができたりと不安は尽きなかった
その後 ベビーシッターのジュリーにディランを預けたヘザーは、トーク番組で『エルム街の悪夢』に関する質問を受け、サプライズでフレディ役の俳優ロバート・イングランドが映画そのままの扮装で現れ驚く
そして番組が終わった頃 “ニューライン・シネマ”のエージェント サラからすぐに会ってほしいと連絡を受けたヘザーは、その足で彼女の元へと向かう
サラの中継ぎでプロデューサーのボブと面会したヘザーは、彼から『エルム街の悪夢』のウェス・クレイヴン監督が、シリーズの新作を作ろうとしていると聞く
『エルム街の悪夢』は自身の悪夢がきっかけで作り上げた作品だったが、この度 久しぶりに悪夢を見たため新作の脚本を書き上げているのだという
そしてヘザーを呼び寄せたのは、その新作にまた出演してもらえないかという打診だった
監督がその悪夢を見て新作を描き始めた時期は、ヘザーの周囲で異変が起こり始めた時期と奇妙に合致しており、またチェイスが出張しているのも悪夢の通りフレディのかぎ爪を作るためだと知る
あまりに出来すぎた一致に恐怖を感じたヘザーの周囲では、更に奇妙な出来事が起こり始め、彼女はフレディが現実に現れようとしていると確信するが・・・



『エルム街の悪夢』シリーズ7作目

一応 前作『エルム街の悪夢 ザ・ファイナルナイトメア』でシリーズものとしては完結してるので番外編的な位置付けの作品
あらすじからわかるように、舞台は『エルム街の悪夢』が映画化している現実世界
ヘザー・ランゲンカンプやロバート・イングランド、監督のウェス・クレイヴンも本人役で登場するというメタ構造な作品となっている
殺人人形チャッキーでお馴染みの『チャイルド・プレイ チャッキーの種』でも同じようなことしてたけど、本作のが10年早かったりする

そういうメタ的な現実世界に対して、映画の中の存在のはずのフレディが襲い来るというのは、やってることはメチャクチャなのに構造的にもフレディの設定としても思いのほか面白い
長年愛されてきたシリーズだからこそできるチャレンジ性があるし、何より前述したキャストを使った遊び心はまさしく『エルム街の悪夢』っぽい
シリーズを重ねるごとにコミカルな一面が強調されてきたフレディも、初代監督・脚本のウェス・クレイヴンがカムバックしたこともあり、改めて残忍な殺人鬼として描かれてて、これもまた“現実感”を感じさせて親和性が高い

そして久々の登場になるレザー・ランゲンカンプは、あえての主演で子持ちキャラにもなってるし、シリーズの年月も感じさせるけど、スクリーム・クイーンここにありといった貫禄も同時に感じさせてくれる
ちなみに、当初は無名時代に初代作に出演してたジョニー・デップにも本人役で出てもらう構想だったらしいけど、ウェス・クレイヴンがビビって躊躇したらしい
当のジョニー・デップはそれを聞いて、言ってくれれば喜んで出たのにと発言してた
ビビるなよお

作風としての遊び心に、割と真面目な内容までシリーズの中でも楽しめる1作になってるので、番外編といえどオススメ
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