niwarie

エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストランのniwarieのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

なんとなく名前聞いたことあるな、、くらいで前衛的なコース料理を出すお店ということしか知らなかったが、何年か前に北欧の"Noma"(日本の鰹節にならって鹿節を作る研究してる)という同じく前衛的なレストランのドキュメンタリーをTVで観てから、気になっていたレストランでもあった。

素材についてはまるで科学な研究のようにつきつめて行くんだけど、いざ実践編に移ると料理という表現の自由度がいきなりざっくばらんになってくのがとても不思議だった。そこは詰めずに自由度を大事にするのね、と。

厨房で指示を出し、メニューが決まっていくまで試食を続けていくオーナーシェフはまるでオーケストラの指揮者のようで。
指揮棒のように操ってた耳にかけていた青リンゴの鉛筆の長さが、後半、物凄く短くなっている探究心に震えた……

構成として、最後までいったいどんな料理が出てくるのかわからないお客さんの気持ちを味わえたのが良かった。でも尺が長い……

同時に、日本の食文化の豊かさを実感出来た。
旬の食材、四季折々、ベジタリアンに先駆けな精進料理、そして数々の食材からの出汁=うま味の組合せ。
"大豆"だけで醤油、味噌、納豆、豆腐(絹・木綿)、厚揚げ、油揚げ、高野豆腐、豆乳、きな粉まである。

鰻の開き方に駄洒落な諸説まであるのも面白い。
関東(背開き=NO!切腹)
関西(腹開き=腹割って話ましょうや)

食べること大好きなので、日本に産まれて本当幸せだ、、と噛み締めました。モグモグ。
今は旬な筍ご飯に新芽の山椒散らして食べたい。筍のアク抜き方法も山椒の葉を叩くのも料理の方法として日本では一般化しているけれど、きっとエルブリにとっては科学になりうるんだろうな。

追記: 《世界一美しい本を作る男》の監督だった!おおお。シュタイデルのドキュメンタリーは本と印刷とインクの匂いが好きな人にはかなりオススメです。
niwarie

niwarie