まめだいふく

チェリー2000のまめだいふくのネタバレレビュー・内容・結末

チェリー2000(1986年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

 「ペプシ?」

 人々の ‶恋愛” という感情が極端に薄まってしまった近未来。男たちの欲求を満たしてくれるのは、人間の女性そっくりに作られたヒューマノイドだった。
 その中でも ‶チェリー2000型” は特に優れたヒューマノイドで、男たちの底なしの欲求すべてを満たしてくれる、完璧な ‶女性” であった。
 ある日、サムという平凡な男の所有するチェリー2000が、水に濡れてショート(!?)し、回復不能になってしまう。チェリー2000なしでは生きていけないサムは、新たな同型のヒューマノイドを手に入れるため、チェリー2000が集められているという工場のあるネバダへと向かうことを決心する。
 しかし、その工場がある場所は無法地帯と化していて、レスターという独裁者がその地域を牛耳っていた。
 サムは女性用心棒のジョンソンを雇い、チェリー2000を手に入れるために危険なエリアに足を踏み入れる……。

 近未来アクションものだけど、年代設定は2017年。今から7年前のお話。
 いやー、7年前のアメリカってこんなだったんですねぇ……何て白々しいボケは置いといて、本作が作られた1986年からすれば、2017年なんてずーっと先の未来だったんでしょうね。

 話としては、ヒューマノイドしか愛せない男が、本物の人間の女性と行動を共にしていくうちに次第に彼女に惹かれていく……という、予想通りの流れ。最後にサムは究極の選択を迫られる。ここの展開はなかなか上手い。
 反発もしなければ浮気もしない、常に忠実で見た目も中身も完璧であり、いつまでも無償の愛をささげてくれる女性ヒューマノイドを選ぶのか、それとも同じ血の通った人間である女性を選ぶのか……。
 男と女の関係とは何か、愛とは何か、意外と深いテーマを扱っているような気がする。
 相手のすべてに共感でき、理解し、分かち合えるなんてのはほぼ不可能。大なり小なりの意見の相違や考え方の違いは絶対にある。同じ人間同士、これは仕方のないこと。でも、それらをひっくるめて相手を受け入れることが愛するということなんじゃないかな、とワシは思う。まあ、それが難しいんだろうけどね。
 おっと、柄にもなく気障ったらしいことを述べてしまった。

 ところで、アンドロイドって本来、男性型のヒューマノイドのことを指していて、女性型はガイノイドというのが正しいらしいことを初めて知った。
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