「モーニング娘になりたい」というのが、目標ではなく、気持ちにも満たない本能であるという点が、この「観るべき場面やショットがただのひとつもない映画」の唯一の推進力になっている。
この主人公の女性は、空虚で緩慢な動きを続けるゾンビのように「モームスニナリタイ」だけなのである。
ゾンビは頭を撃ち抜かなきゃ止まらない。映画では、誰も彼女を止めようとしなかった。英雄として祀ろうともしなかった。なので私は停止ボタンを押すことが出来ず、呆然としたまま、オーディション会場へと運ばれてしまった。
しかしながら、観終えて、褒めたい気持ちが湧いてこない。ただひとつ言えるのは「観ました」ということだけ。