ロバートとジュリア夫妻が経営するキャンプ場で、ある日連続殺人が起こり、犯人未逮捕のままキャンプ場は閉鎖される。
その15年後、彼らの息子ベンを含む二組計9人の男女がこのキャンプ場を利用することになるが、同じ様に連続殺人が起きる・・・。
奥深い森のキャンプ場を血に染めるスラッシュホラー。
監督は『食人族』の、ルッジェオ・デオダート。
音楽は『ゴブリン』のメンバーで、『デモンズ』等の音楽を手がけたクラウディオ・シモネッティです。
80年代に量産されまくった、『13日の金曜日』の亜流作品。
『13日の金曜日』のB級映画副産物で、裸の女性でいっぱいで、独創的な殺されかたをしていきます。
簡単に内容を説明すると、呪術師が埋葬地の上に建てられた森の真ん中にあるキャンプ場で、10代の若者グループを切り裂いていくって感じ。
地元の伝説によると、呪術師は古代インド人によって埋葬地を見守るために召喚された殺人鬼だそうです。
良くも悪くも、この手の作品にありがちな王道のストーリー。
1980年以降に作られたスラッシュホラーを見たことがある人なら、ほとんどの人が次に何が起きるのかを予想できると思います。
とはいえ、管理人夫婦と保安官の泥沼の三角関係話も絡んでくる所など、人が殺されるだけのB級ホラーとは何とか趣きを変えようとする努力がにじみ出ています。
誰が犯人なのか?
というサスペンス要素も、それなりに組み立てられている。
『食人族』と同じ監督映画なので、もちろん残忍なスラッシャーシーンを期待していました。
しかし、それに関してはそれほど期待したほどではありませんでした。
とはいえ、過激さはイマイチですけど色々と工夫はされています。
何よりも雰囲気が抜群です。
特に森の中の古い家とかシャワー室とか、けっこう不気味な雰囲気があります。
一人の女の子が鏡を見ていると、突然手が出てきて彼女を殺したところなど、びっくり要素もありました。
また、女性はけっこう頻繁にトップレスになります。
女性の(そして男性の)ヌードのためだけでも、見る価値があると申し上げときましょう。
ただ毎度この手の映画にありがちなのですが、仲間がいなくなり始めたことに気づくのが遅いんじゃないかと。
どんどん仲間が減っていっても、「どっかでシケこんでるんだろ」と、意にもかえさず。
7割くらい殺されてから、たまたま死体を発見して事の重大さに気づきます。
また、終わってみれば不要だったとしか思えないような脇役も登場する。
まぁこの辺りはお約束みたいなものですね。
とりあえず、スラッシャー映画ファンなら一見の価値はあると思います。
ちなみに本作は、『食人族』の訴訟騒ぎのせいで、ルッジェオ・デオダート監督がアメリカで撮影せざるを得ない状況だったみたいですね。
『食人族』訴訟騒ぎは、映画『食人族』での殺人行為を本物と勘違いした視聴者が、監督を殺人罪で起訴した騒ぎの事だそうです。