途中離脱だったのを観終えた。
クー!
これもある意味、砂の惑星だな。
リンチ版のDUNEの2年後の公開というのもまた味わい深い。
冒頭、独特のテーマ曲のかかるオープニングクレジットから良い。不思議なんだけど朴訥としているテーマ。
SFX的な技法は最小限に抑えながらもキン・ザ・ザ星雲への宇宙旅行を表現している。
飛行船のデザイン、浮遊感は癖になる。ふわ〜っと飛んで着陸する感じ。
それで、出てきてクー!だもんな。
DUNEのお話とか世界観って、凄い頑張って優秀なスタッフとかいれば考えられそうだし、作れそう。ただこのキン・ザ・ザはどう自分が逆立ちしても作れそうにない。天才のみが成しえる所業なのかと。良し悪しは別として。
2章だての意味もそんな無さそうに思えたし、いちいち人を騙そうとするパッツ人とか、檻の中でしか芸を出来ないとか。発想がとんでもない。
次第にクー、のタイミングや所作が上手になってくる地球人達も面白い。
そしてまさかのタイムリープを経て、無事に地球へ。2人は記憶を無くしてるのかな、クー!で再会出来たシーンは君の名は、かと。
なるほど、ソビエト社会への風刺的な意味合いを込められているという解釈もあるのか。チャトル人とパッツ人の関係性とか、確かに上下関係を気にしていたし。物の無さとか、管理の厳しさとか。なるほど。
全然リアルじゃない設定、退廃的な美術のセンスや、ポーズの可笑しさ等に紛らわせてそんなメッセージがあるのか。
時折見返してみたくなる、中毒性はあるにはある。
ゲオルギー・ダネリア、脚本・監督