KnightsofOdessa

ザンジバーの西のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

ザンジバーの西(1928年製作の映画)
2.5
[ブラウニング版『オルメイヤーの阿房宮』] 50点

ロンドンで奇術師として活躍するフロソには可愛い若妻アンナがいるが、ある日象牙商人クレインに唆された彼女は二人で駆け落ちしてしまう。階段から転げ落ちたフロスは足が動かなくなってしまう。何年か後、瀕死の状態のアンナが幼い娘を連れて帰宅し、娘を遺して亡くなってしまう。フロスは娘を連れてクレインのいるアフリカに殴り込みに行く。という、ロン・チェイニーしかできない設定を盟友トッド・ブラウニングが監督した作品。設定聴いただけでもロン・チェイニー作品だと分かってしまう業の深さ。また、アフリカの奥地の小屋から一歩も出ずに娘のことを考えあぐねるおじさんの物語という骨格は『オルメイヤーの阿房宮』に通ずるものがある。

ただ、個人的なチェイニーベスト『天罰』『知られぬ人』に比べるとチェイニーらしさは特になく、なぜかザンジバルにブードゥー教がいて、それが色々悪さするという侮蔑的な目線も気味が悪い。それにしても、ブラウニング&チェイニーという怪奇映画コンビの安定クオリティには最早畏敬の念が湧いてくる。
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