浅野公喜

ダーク・ハーフの浅野公喜のレビュー・感想・評価

ダーク・ハーフ(1993年製作の映画)
3.6
ペンネームでバイオレンス小説を書いていた作家が実在しないはずのペンネームと同じ名前の殺人鬼に悩まされる、スティーヴン・キング原作ジョージ・A・ロメロ監督脚本のサスペンスホラー。主演は(母と生年月日が同じ)ティモシー・ハットン。

今作に対する最初のイメージは同じキングの「シークレット ウインドウ」でしたがどちらかと言えば中身はデヴィッド・フィンチャー監督のあの作品。一応犯人の正体は分かるけど結局なんなのかはっきりと理解しにくいもどかしさは終盤まで続き、一応解決はしたけど結局主人公はその後どうなったのか分からないままエンドロールを迎えたことでやや消化不足が否めない感じでしたが人形と化した妻の顔が崩れ頭蓋骨が露になる幻覚、「鳥」をパワーアップさせたような終盤のリアルなスズメの大群にティモシーの見事な演じ分けと注目点は随所に。

大物二人が組んだ作品にしては小粒な印象ですが、実際にリチャード・バックマンというペンネームでも作品を発表しているキングらしい作品と言えます。
浅野公喜

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