calinkolinca

夢見る頃を過ぎてものcalinkolincaのレビュー・感想・評価

夢見る頃を過ぎても(2002年製作の映画)
4.0
劇場未公開の作品なんですね。なんでだろ。面白いのに。もったいない。
まず、ギラギラのスーツを着たギラギラしたダンディーが3人の美女と歌い踊るオープニングに面食らう。
あれ...間違えたかな?と一瞬固まるもいやいやこの方こそがこの映画のキーマン、主役であるグレイスが憧れるイギリスの大スター、ビクター。
夫に突然の離婚を言い渡されただでさえボロボロだった平凡な主婦グレイスの、心酔する大スターの死から始まる一念発起のどたばた冒険物語。
いちおうサスペンスコメディぽいしあんまり知らないで観た方がきっと面白いのでストーリーに関してはこの辺でお口チャック(・×・)
キャシー・ベイツ演じるグレイス、彼女と行動を共にするわけありの青年ダークと小人症でおかっぱ頭がキュートなグレイスの息子の嫁、マウディ。
「ただの専業主婦」呼ばわりされたりマイノリティとして扱われることの多い彼らが大暴れする様は観ていてとてもスカッとした!
特にマウディね!何なのあの有吉やマツコ・デラックスを凌ぐ口撃力は!あぁ!もっと言って!
あと、憧れのスターやそのうたがどれだけ日々を彩り、いつもこころに寄り添ってくれているか。を視覚化したようなシーンにはなんだかじん、としちゃいました。
冒頭で派手に登場したビクター。この世界のすべてのひとのこころの中にいる、世界の恋人である彼は、去り方ももちろんスマートでとってもかっこよい。
彼の描き方にはこころを潤してくれるうたやスターたちに対する監督の深い愛情を感じました。
そしてグレイスには敵の懐に入るにはまず相手の胃袋をつかめ!ということを学び。こころのメモ帳にめもめもめも。
「ミザリー」とは180度違う、キャシー・ベイツの少女のような朗らかさと歌声に魅了される、たのしくあったかい気分になれる作品でした。
あと、めっちゃジュリー・アンドリュース出てくる笑
calinkolinca

calinkolinca