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デブゴンの霊幻刑事(キョンシー・デカ)のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

4.0
【デブゴン・ミーツ・ゴースト】
アジア映画に弱いので、少し香港映画に触れてみることにした。今回はサモ・ハン・キンポーのデブゴンシリーズから『デブゴンの霊幻刑事(キョンシー・デカ)』を観てみました。

ガラスが割れ、壮絶な追いかけっこが始まる。マラソン会場に突っ込み、車で豪快にダイビング。アクセル全開のアクションから本作は始まる。安全管理度外視のアクションをこの緩い邦題の映画であっても展開されており、香港アクション映画の凄まじさを感じる。

ドジな警官チューバ(サモ・ハン・キンポー)はスーパーの監視カメラで知り合いと遊んだりしながらのほほんと暮らしている。そんな彼の平和は脆く崩れ去った。友人たちが妻たちを前にアリバイを話してくれと彼に頼むのだが、上手く誤魔化すことができず、仲間からも女からも袋叩きに会う。

何故かチューバを吹くと調子がおかしくなる。折角の場を破壊してしまい、交通整理の仕事に左遷させられてしまう。包丁男に追いかけられたりと災難は続く。そんな彼は、ギャングの抗争を目撃してしまい。そこで殉死したチョー刑事に取り憑かれてしまう。イタズラ好きな彼を横目に、スーパーの女と恋仲になる。

そして女の家に遊びに行くのだが、そこで壮絶な幽霊とのイタズラ合戦が繰り広げられるのだ。本筋とはあまり関係ない家でのサモ・ハン・キンポーのパントマイムが非常に面白い。家族には奇人にしか見えないキンポーの動きの滑稽さ。滑稽ながらも、人間の可動域の限界に挑戦しているあたりが面白い。それがあってからの、終盤のギャング団とのアクション。弱腰ながらも軽妙に敵を吹き飛ばしていくところに爽快さがあります。こういう軽妙な職人技のアクションコメディ映画はアート映画の箸休めに観ると癒しです。語る言葉はそこまでないものの、楽しかった。

ちなみにタイトルに「キョンシー」とあるが、「キョンシー」は出てきません。『霊幻道士』のラム・チェンインが出演しているからこういう邦題になったと思われます。なんてこった!
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