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長く熱い週末のcatmanのレビュー・感想・評価

長く熱い週末(1980年製作の映画)
4.0
1980年公開の英国産ネオノワール。ボブ・ホスキンス主演の渋みと哀れみが深い。ジョー・ペシとかダニー・デビート系の破滅型オヤジ。全体的に登場人物の相関関係が今ひとつ分かりづらいものの、この手にしては珍しく短尺に纏めているのは好みだし、70年代末期のロンドンを舞台に展開されるクリミナルでデカダンなムードは独特のウェットな魅力がある。何処かで見た事のある顔ぶれが揃ったイギリス人俳優のキャストも楽しくて、出番は僅かながら若きピアース・ブロスナンがその美青年っぷりで存在感を発揮。ヒロインは30代半ばのクールでセクシィなヘレン・ミレン、余計な濡れ場が無いのも硬派で良い。野心に溢れる主人公が「これからはロンドンがヨーロッパ全体の首都になるんだ!」と熱弁を振るうシーンは、イギリスの現状と重ね合わせると味わい深いものがある。The Long Good Friday/長く熱い週末 というタイトルもなかなか痺れます。
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