ちろる

グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状のちろるのレビュー・感想・評価

3.4
ウィーン美術史ミュージアムの修復工事の裏側のドキュメンタリー。
豪華絢爛なハプスブルク家の遺産たちは想像以上に素晴らしかったけれど、正直言うとドキュメンタリー作品としては面白味に欠けるという印象が強い。
美術史や美術館に知識のある人はいいけれど、ナレーションもなく展開もバラバラな美術館の裏側あれやこれやを見せられても入り込めないし、「細かいこと理解できない人はついてこなくても別にいいけど」的なスノビニズムが鼻に付く構成でもあったので好感度の持てるドキュメンタリー作品とまではならなかったかなー。
そりゃ数多くの素晴らしい作品を穏やかに見せてもらえるとは思ってないけれど、必要じゃないと思う会話シーンも数多くあるから、そのシーンどうでもいいから、もっと裏側のバタバタ劇とか、苦々しい企画会議だとか美術修復者たちの見事な姿のシーンをもっと長く見せてよって思った。

ただ、ブリューゲルのバベルの塔を去年日本に来た時にすっかり忘れて観に行けなくなるという悔しい思いをした私としては、ラストのシーンは少し嬉しいかったです。
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