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五月のミルのtheocatsのレビュー・感想・評価

五月のミル(1989年製作の映画)
4.0
ネタバレ
全把握できずとも仏的ざっくばらんさを堪能

途中で人物関係と筋を追いきれなくなるが(視聴後にウィキで補足)、それでもフランス映画的としか言いようがない開けっ広げな楽しさは十分堪能できる佳品。

単なる遺産相続のもめごとだけではなく、そこにフランス五月革命の脅威を挿入することで予定調和から大きく逸脱させた場面では、正直「どのように収束させるつもりなのか?」とこちらも狐につままれたような気分。

革命隊から逃れるため洞穴での避難の最中でも遺産分配のいがみ合いは続き、事態は混迷の度合いを深めるだけとなるが、そこは唐突に一度は失脚敗退したドゴールが政権復帰したことで全国的秩序が回復、逃亡していた一家も屋敷に戻り、家屋敷分配の騒動も無事収束という流れ。
エンディングへ向けての唐突強引な持って行き方もフランス的ならではという感じでニヤリとさせられる。

お決まりの「解放的性」の場面としては、男女それぞれの連れ合いが巧妙に一つづつずれてスワップするような、なんでそうなるの??的おおらかさに「呆れた楽しさ」とでもいうしかないような気分にさせられた。笑
あんな環境にさらされていれば子供も自然に性に開放的になるわな・・・

総評四つ星

022007
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